財政学から見た日本経済
土居丈朗・著
光文社新書

のページ

土居丈朗著『財政学から見た日本経済』

このページでは、『財政学から見た日本経済』の内容に関する情報をご紹介致します。
正誤訂正、本書の内容に関する追加情報や最近の話題など、読者の皆様に感謝を込めてお贈り致します。


 2007年3月に行われた一橋大学経済学部の後期日程の入学試験で、本書が課題文として試験問題に採用されました。試験問題は、他意なく、代々木ゼミナールの試験問題のサイトで見ることができます。とても名誉なことで、大変喜んでおります(言うまでもなく、これにまつわる著作権料は一切入りませんが)。
 オリコンキャリア「上司に薦めたいビジネス書」で、本書が推薦されました。


はしがき

 税金や行政サービスへの支出などの「財政」は、国民の日常生活と密接な関係がある。ところが、日本の財政は、大きな危機に直面している。景気が悪くなるたびに、一部の国民は景気対策としての公共事業や補助金の増額を求めたり、減税を求めたりした。その結果、景気をよくすることに失敗した上、国の借金だけが残ってしまった。その政策の失敗は、官僚や政治家などのせいにした。確かに、彼らが政策決定に影響を及ぼしたことは事実である。しかし、日本は民主主義国家である。この国は官僚や政治家のものではない。国民のものである。だから、官僚や政治家のせいにして全てを終わらせるわけには行かない。その責の一部は、国民の不作為にある。有権者たる国民が、失敗を起きそうなときに、なぜ事前にチェックして官僚や政治家に待ったをかけず放任したのか。
 日本が真の意味で民主主義国家として、健全な政策を行っていくには、国民が政策の決まり方や制度の仕組みを十分に理解できていなければならない、と著者は考える。小学、中学、高校と社会科でそれらについては一応教えてはいる。しかし、仕組みの重要な部分については、国民に広く理解されていないのが実情である。それは、国民の怠慢というより、教える側・知る側の怠慢がゆえのことである。大学で学生に教える著者にもその責の一端がある。
 特に財政の詳しい知識は、一部の官僚や財政学者によって専有されている。彼らがその「知」の利を生かして、都合のよいように国民を誘導していることがある。ジャーナリストもそのワナにしばしばかかっている。著者は、財政に関する専門知識を学んだとき、このままではいけないと感じた。財政の話は、決して他人事でもないし、難しい話でもない。国民が有権者としてこの国を健全に動かしていくのに不可欠な話である。国民の日常生活と密接な財政の話を、少しでも読者の方に知って頂きたいと思い、本書を執筆した。

 定価:700円 ISBN: 4-334-03162-5

 2002年10月に刊行されました。2010年2月に第3刷第5刷として増刷されました。


まだお求めでない方は、ぜひご予約頂きご購入下されば幸いです。

今すぐ注文したいあなた、
Amazon.co.jp
をご覧下さい。


本書の書評が掲載された雑誌
『エネルギー・フォーラム』2002年12月号(576号),131頁.
『金融ビジネス』2003年2月号(No.215),97頁.
『日経ビジネスAssocié』2006年2月21日号(86号), 98-99頁(評者:渡部晶氏).
『週刊ダイヤモンド』2010年1月9日号(第98巻2号), 83頁(評者:井堀利宏氏).


『財政学から見た日本経済』目次

第1章 税金はどこへ消えた?
何をするにも税金、税金……
負担が軽い日本の所得税・消費税
負担が重い日本の法人税
それでも日本の税金は軽い
要は税金の使われ方
財政とは何か
他にもまだある私達と財政の関係
誰が国債を買っているのか
借りたお金は何に使ったか

第2章 景気対策はなぜ失敗し続けるのか
なぜ日本の財政はおかしくなったのか
九〇年代の財政に何が起こったか
橋本内閣の財政構造改革
不況の真因
金融危機の発端
「借金王」小渕首相の登場
金融機関はなぜ国債を買うのか
日本経済の「ブラックホール」
民間消費低迷の原因
万一に備えて消費を控える家計
財政も消費低迷に荷担

第3章 地方が自立できない真の理由
バラマキ財政の実態
損する都市・得する農村−国税は誰が払い、誰が使い込んだか
背景には定数格差
地方の自立を阻む地方財政制度
自治体のために「隠れ借金」までしている
借り手意識を生まない起債許可制度
財源不足の解消をそぐ地方交付税    正誤訂正
地方の公債費までも手当てする交付税
地方自治体に財政規律を
地方交付税制度の是非
人口減少時代に備えた地方財政

第4章 なぜ破綻せずに借金をし続けられたのか   
郵貯や年金のお金はどこに
特殊法人はなぜ改革が必要なのか
特殊法人は健全か?
不良債権と化す特殊法人への融資
特殊法人の今後予想される損失    正誤訂正
特殊法人改革に伴う国民負担
財政投融資の貸倒損失
地方自治体にもある貸倒損失
国鉄清算事業団の悲劇
国民の税負担は軽減できるか
財投機関の開き直りは許されない
特殊法人改革=郵貯改革・年金改革=地方分権

第5章 財政破綻、そのとき国民は
財政破綻の予兆
財政破綻は起こるか
インフレになると生活はどうなるか
インフレ以外にもある方法
生活防衛の違った視点
借金棒引きの悪影響
インフレを起こさないようにするには
怖いのは「突然死」

第6章 破綻を避ける道
財政破綻を避ける道
直ちに財政再建を
国は何をすべきか
保険金の支払い
過度な「安心」は「怠慢」を生む
「怠慢」の反省なくして「安心」なし
公平性の問題
補助金バラマキをなくす方策
日本経済の再生にむけて
ネズミ講式「お約束」からの脱却
ネズミ講式「お約束」の次に来るもの
皆が幸せになる日本経済を

本当は皆様にお求め頂きたいので、あまりお教えしたくないのですが…
本書が所蔵されている大学図書館(CiNii Books)(納めて頂きありがとうございます)
2013年 1月 1日現在119
2011年 1月 1日現在113
2010年 4月30日現在112
2010年 1月20日現在108
2009年 6月 8日現在107
2009年 4月10日現在106
2008年 6月 6日現在103
2007年12月28日現在 96
2007年 4月24日現在 94
2006年 9月 6日現在 93
2006年 4月 7日現在 92
2006年 2月 7日現在 90
2005年10月29日現在 88
2005年 7月19日現在 86
2004年12月 9日現在 73
2004年 7月 2日現在 68
2004年 1月13日現在 58
2003年11月15日現在 54
2003年10月16日現在 53
2003年 7月 8日現在 49
2003年 4月 5日現在 36
2003年 2月28日現在 27
2003年 1月15日現在 15
2002年12月20日現在 10
借りても是非お求め下さい!

以上です。
今後、この本に関する情報をこのコーナーでご紹介したいと考えております。

このコーナーに関するご質問、コメントがございましたら、ご遠慮なく
土居丈朗
(tdoi@econ.keio.ac.jp)
までお申し付けください。

Copyright © 2002-2013 Takero DOI All rights reserved.
Back to Top
土居丈朗のサイト(日本語トップページ)へ