財政学を学ぶための参考文献案内

 『財政読本』を読む際に、または読んだ後で役立つ参考文献に関する情報をご紹介致します。


財政学全般

  1. 井堀利宏『財政学(第2版)』 新世社
  2. 井堀利宏『演習財政学』 新世社
  3. 井堀利宏『財政』 岩波書店
  4. 井堀利宏・牛丸聡『基本テキスト4財政』 東洋経済新報社
  5. 貝塚啓明『財政学(第3版)』東京大学出版会
  6. 林宜嗣『基礎コース財政学』 新世社
 これらは、財政学の標準的なテキストである。内容は、本書と同程度のレベルで書かれており、それぞれに本書と異なった特徴を持っている。

  1. 井堀利宏『現代日本財政論』東洋経済新報社
  2. 本間正明『日本財政の経済分析』創文社
 7と8は、財政学の領域全般を分析対象として、わが国の財政について様々な観点から経済学的に分析している研究書である。高度な議論が展開されており、上級レベルの経済理論や計量経済学の知識を要するが、分析から得られる政策的含意は豊富である。

公共経済学

  1. 麻生良文『公共経済学』有斐閣
  2. 奥野信宏『公共経済学』 岩波書店
  3. 加藤寛・浜田文雅編『公共経済学の基礎』有斐閣
  4. 柴田弘文・柴田愛子『公共経済学』 東洋経済新報社
  5. スティグリッツ『公共経済学(第2版)()』 東洋経済新報社
  6. 常木淳『公共経済学(第2版)』 新世社
  7. 土居丈朗『入門|公共経済学』 日本評論社
 これらは、公共経済学の標準的なテキストである。内容は、本書と同程度のレベルで書かれており、本書よりも経済理論を明示的に扱っている。本書の内容について、数式を用いた経済理論に根ざした理解を深めたい読者は参照されたい。
  1. 井堀利宏『公共経済の理論』有斐閣
  2. 野口悠紀雄『公共政策』岩波書店
 これらは、9〜15よりも上級レベルの公共経済学のテキストである。

日本の財政制度・現状の解説書

  1. 財務省大臣官房総合政策課長編『図説日本の財政』 東洋経済新報社 各年度版
  2. 財務省主税局調査課長編『図説日本の税制』 財経詳報社 各年度版
  3. 総務省編『地方財政白書』国立印刷局(旧財務省印刷局) 各年度版
  4. 厚生労働省(旧厚生省)年金局監修『年金白書』社会保険研究所 各年度版
  5. 本間正明編著『ゼミナール現代財政入門』日本経済新聞社
 18〜21は、政府の担当部局が執筆している日本の財政制度や現状についての解説書である。18は国の財政(本書第3章と関連)について、19は国と地方の税制(本書第4章と関連)について、20は地方財政(本書第8章と関連)について、21は年金制度(本書第3章と関連)について書かれている。毎年度新しい内容に改訂されるので、最近の制度や状況を知る上で便利である。また、関連データも詳しく掲載されている。22は、日本の財政を現状、理論・歴史、制度の側面から、政府の公式見解にこだわらず包括的に解説している。

財政学の各論

公共投資

  1. 井堀利宏『公共事業の正しい考え方』 中公新書
  2. 三井清・太田清編『社会資本の生産性と公的金融』 日本評論社
  3. 吉野直行・中島隆信編『公共投資の経済効果』 日本評論社
 本書第3章で扱った公共事業関係費に関連して、日本の公共投資政策や社会資本についてより専門的に分析したものである。

社会保障

  1. 社会保障入門編集委員会編『社会保障入門』 中央法規出版
  2. 小塩隆士『社会保障の経済学(第2版)』日本評論社
  3. 八田達夫・小口登良『年金改革論 積立方式へ移行せよ』日本経済新聞社
  4. 八田達夫・八代尚宏編『社会保険改革』日本経済新聞社
 本書第3章で扱った社会保障関係費に関連して、日本の社会保障制度や政策について書かれたものである。26と27は、社会保障制度や現状について本書と同程度のレベルで書かれている。21もこれらと同様である。28と29は、日本の社会保障制度を、現状を踏まえてどのように改革するかについてより専門的に議論したものである。

租税

    石弘光『税金の論理』 講談社現代新書<品切重版未定>
  1. 石弘光『税制ウォッチング』中公新書
  2. 井堀利宏『あなたが払った税金の使われ方』東洋経済新報社
  3. 井堀利宏『課税の経済理論』 岩波書店
  4. 井堀利宏『経済大国 日・米の財政政策』東洋経済新報社
  5. 野口悠紀雄編『税制改革の新設計』日本経済新聞社
  6. 森信茂樹『日本の税制』PHP新書
 本書第4、5章で扱った租税に関連して、日本の税制やそのあり方について書かれたものである。30は、わが国の税制を踏まえて租税のあり方について簡明に書かれたものである。日本の税制の仕組みについては、35や19も詳しい。31は、最近の財政状況を踏まえて、国民が払った税金がどのように使われているかを解説、議論している。32は租税の経済効果について分析する経済理論を解説した中級の教科書である。33は国際課税について、34は税制改革について、より専門的に分析したものである。

財政投融資

  1. 岩田一政・深尾光洋編『財政投融資の経済分析』日本経済新聞社
  2. 宮脇淳『財政投融資の改革』東洋経済新報社
  3. 吉田和男・小西砂千夫『転換期の財政投融資』有斐閣
 本書第6章で扱った財政投融資に関連して、本書(第6版)でより記述したものよりも古い(2000年度以前)の財政投融資制度について書かれたものである。これらは、財政投融資について、旧制度を分析し、どのように改革するかについてより専門的に議論している。本書(第6版)が扱っている2001年度以降の財政投融資制度に関連した詳しい解説書は、本書以外にはまだ公刊されていない。

公債

  1. 石弘光『国の借金』 講談社現代新書
  2. 井堀利宏『日本の財政改革』ちくま新書(筑摩書房
  3. 井堀利宏『財政赤字の正しい読み方』東洋経済新報社
  4. 井堀利宏『日本の財政赤字構造』東洋経済新報社
  5. コトリコフ『世代の経済学』日本経済新聞社
  6. 林宜嗣『財政危機の経済学』 日本評論社
  7. 宮島洋『財政再建の研究』有斐閣
 本書第7章で扱った公債に関連して、日本の財政赤字の現状やそのあり方について書かれたものである。39〜41は、財政赤字の現状について本書と同程度のレベルで書かれている。43は、世代会計について詳しい。42と44と45は、日本の財政赤字の実態を問題点についてより専門的に議論したものである。

地方財政

  1. 齊藤愼『政府行動の経済分析』創文社
  2. 齊藤愼・林宜嗣・中井英雄『地方財政論』 新世社
  3. 林健久編『地方財政読本(第5版)』 東洋経済新報社
  4. 土居丈朗『地方財政の政治経済学』 東洋経済新報社
  5. 能勢哲也・丸山高満編『現代地方財政学』有斐閣
  6. 林宜嗣『地方財政』有斐閣
  7. 林宜嗣『地方分権の経済学』 日本評論社
  8. 吉田和男『地方分権のための地方財政改革』有斐閣
 本書第8章で扱った地方財政に関連して、日本の地方財政制度や現状について書かれたものである。47と48と50と51は、日本の地方財政について本書と同程度のレベルで書かれたテキストである。地方財政についてより詳しく知りたい読者は参照されたい。19と20もこれらと同様である。46と49と52と53は、日本の地方財政制度を踏まえて、より専門的に議論したものである。

財政資金

  1. 日本銀行財政収支研究会『新版財政収支のみかた』ときわ総合サービス
 本書第9章で扱った財政収支に関連して、本書(第6版)でより記述したものよりも古い(1998年度以前)の財政収支統計の見方について詳しく書かれたものである。本書(第6版)が扱っている1999年度以降の財政収支統計に関連した詳しい解説書は、本書以外にはまだ公刊されていない。

ウェブサイト

  1. 首相官邸:http://www.kantei.go.jp/
  2. 内閣府 経済財政諮問会議:http://www.keizai-shimon.go.jp/
  3. 財務省:http://www.mof.go.jp/
  4. 総務省:http://www.soumu.go.jp/
  5. 厚生労働省「年金財政ホームページ」:http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/index.html
  6. 厚生労働省「介護保険制度について」:http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/index.html
  7. 社会保険庁「医療保険制度」:http://www.sia.go.jp/seido/iryo/index.htm
  8. 会計検査院:http://www.jbaudit.go.jp/
 これらは、財政に関する情報が掲載されている政府の公式サイトである。ウェブサイトでは、最新の政策情報やデータがリアルタイムで入手できる利点がある。

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