第9章3.中央銀行の独立性
追加情報
ここでは、内容に関連して、本書に付け加える情報をお伝えします。
中央銀行の独立性について
日本語の文献としては、本書で指摘した以外に、
藤木裕, 1998,『金融市場と中央銀行』, 東洋経済新報社.
中央銀行の役割について、日本銀行と欧米先進国の中央銀行との比較を交えながら、実証的かつ歴史的に展望している。
三木谷良一・石垣健一編, 1998,『中央銀行の独立性』, 東洋経済新報社.
新日本銀行法と、先進国諸国の中央銀行制度について、詳しく書かれている。
などがあります。
また、中央銀行の独立性を、財政支出の効率性との関連で分析した最近の研究として、
Doi, T., 1998, "Central Bank Independence Promotes Budgetary Efficiency," Discussion Paper Series No. F-68, Institute of Social Science, University of Tokyo.
(ダウンロード可能)
があります。
この論文は、中央銀行の独立性と財政支出の効率性について分析しています。その分析から、中央銀行が独立的でないときには財政支出が非効率(効率的でない公共財供給)になり、中央銀行が独立的であるときには財政支出が効率化(効率的な公共財供給)されることが示されています。これらを、2つの大国がある国際経済におけるcash-in-advanceモデルを用いて明らかにしています。これまで中央銀行の独立性の議論では金融政策にのみ分析の焦点が当てられていましたが、この論文は中央銀行の独立性と財政政策(特に公共財供給)の関係を定性的に分析したところが特徴です。
日本銀行について
1998年4月から施行された新しい日本銀行法の全条文は、
日本銀行法(平成9年法律第89号)(日本銀行)
にあります。また、それ以前の旧日本銀行法の全条文は、
日本銀行法(昭和17年法律第67号)(法庫)
にあります。
インターネット上で、日本銀行の歴代総裁の顔写真などが、日本銀行のホームページで見られます。
日本銀行歴代総裁一覧
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