学生による授業評価
マルクス経済学 I
2005年度 春学期


アンケート内容と集計結果

アンケート用紙 pdfファイル
実施日:2005年7月5日
回答数:171人(履修者の62.9%)。矛盾した回答や記述など真摯な記入でないものも数枚あったが,そのまま集計した。

*匿名アンケート形式の「学生による授業評価」には意義とともに限界もあります。この点については,「学生による授業評価」の意義と限界もご覧ください。

学生による授業評価
*匿名ですので正直に答えてください。
*自分の感想に近い数字に○を付け,理由や特記事項があればその下に記入してください。
(1)授業内容について
(a) 興味や関心 1.持てた 2.やや持てた 3.あまり持てなかった 4.持てなかった
(b) 難易度 1.易しい 2.やや易しい 3.ちょうど良い 4.やや難しい 5.難しい
(c) 自分の理解度 1.理解できた 2.だいたい理解できた 3.あまり理解できなかった 4.理解できなかった
授業の難易度は,「妥当」が約4割に対して「難しい」と「やや難しい」が6割近くとなっているが,それでも約8割が興味や関心を持っており,7割強が「理解できた」または「だいたい理解できた」と感じているようである。
(2)授業方法について,次の各項目は勉強する上で役に立ちましたか?
(a) OHP等 1.役に立った 2.やや役に立った 3.あまり役に立たなかった 4.役に立たなかった
(b) 板書
(c) ウェブサイト
(d) 課題レポート
(a)プロジェクターは,「役に立った」が6割弱,「やや役に立った」と合わせると約9割。

(b)板書については,「役に立った」が約4割,「やや役に立った」と合わせると85%で,プロジェクターよりも低い数値。プロジェクターを書き写すことに追われて板書の評価が低くなったのかもしれない。

(c)ウェブサイトの利用について,6割前後が「役に立った」と回答,「やや役に立った」と合わせると約9割が肯定的評価。

(d)課題レポートについて,「役に立った」と「やや役に立った」と合わせると9割以上。(4)の(b)レポート提出率の高さを考えると学習のための指針として役立ったと感じているものと思われる。
(3)教員の講義への取り組み方について
(a) 話し方 1.わかりやすい 2.ややわかりやすい 3.ややわかりにくい 4.わかりにくい
(b) 解説(例示など)
(c) 教育への熱意 1.感じた 2.やや感じた 3.あまり感じなかった 4.感じなかった
(d) 成績評価方法 1.厳しい 2.やや厳しい 3.妥当 4.やや甘い 5.甘い
(a)話し方は,「わかりやすい」と「ややわかりやすい」という肯定的評価が7割強,2003年度の約5割よりも大幅に増加した。

(b)例示などの解説は,肯定的評価が8割以上。

(c)教育への熱意では,9割弱が肯定的評価をしてくれている。これは2003年度とほぼ同水準。

(d)成績評価では,「厳しい」,「やや厳しい」が6割弱。過去の成績統計ではD評価が14%程度であるから特に厳しいわけではないのだが,学生の間での「噂や評判」が影響しているのかもしれない。
(4)あなた自身の授業への取り組み方について
(a) 出席率 1.90%以上 2.70〜80%台 3.50〜60%台 4.30〜40%台 5.30%未満
(b) レポート提出率
(c) 予習や復習 1.努力した 2.やや努力した 3.あまり努力しなかった 4.努力しなかった
(a)出席率は,3/4以上が9割以上となっている。アンケート実施日はレポート提出日ではなかったが,アンケート提出者が履修者の6割以上であった。このことは常時出席している約6割の学生と,ほとんど出席しない学生とに2極分解していることがうかがわれる。

(b)レポート提出率はほぼ毎回提出者が約9割となっている。ただ,出席はしてもレポートは提出しない学生が1割程度存在していると思われる。

(c)予習・復習の努力についての自己評価はかなり低い。「努力した」が6割弱あるのは,まだ良い方なのかもしれないが。
(5)全体的な満足度
(a) この授業に対して 1.満足 2.やや満足 3.どちらでもない 4.やや不満 5.不満
(b) 他の授業と比較して
(c) この授業の履修を他の人にも勧めますか? 1.勧める 2.どちらかといえば勧める 3.あまり勧めない 4.勧めない
(a)この授業に対する満足度は,「満足」と「やや満足」が7割弱。

(b)他の授業と比較した満足度では,「満足」が3割強,「やや満足」と合わせると6割強。

(c)他人に履修を勧めるか否かでは8割弱が「勧める」と評価。

個々のアンケートを見ると,満足度は(1)の興味・関心と理解度との間にかなり高い正の相関がある。
(6)その他:自由に書いてください。
具体的な記述内容は下の表を見てください。

(6)の記述項目と記述内容

(1)〜(5)の各項目に特記事項として記入されたものも掲載。原則として原文のままで,< >内は内容の理解のため,わたしが補足しました。
*の青字はわたしのリプライまたはコメントです。
記述項目 記述内容
(1) 興味・関心 基本的に興味のある授業内容だったので,レポートも考えるうえでとても有意義にできた。
最初の授業(ガイダンス)の時は,つかみにくい難しい学問なのかと感じましたが,授業が進むにつれ,興味がわいてきました。
興味を持てる人にとったら楽しくて,もてない人にとったら楽しくないかも・・・
資本主義の問題点がよく分かった。他の経済学の裏側をやっている感じがして良かった。
まじめにやればタメになると思いました。説明は分かりやすかったです。
回が進むにつれて興味のもてない内容になった。
最初はほんとに興味なかったけど,正直延近さんの授業自体が面白いからマルクス経済学にも興味がわいた。
[話し方]分かりやすいです。
難易度 難しかったです。
マルクス経済学で使う用語が難しいので,その用語をもう少しわかりやすく説明していただきたかった。
すごく厳しい厳しいときいていましたが,経済原論をしっかり読み,毎日出席し,レポートを全て出すことでギリギリついていけました。・・・やはり難しいですが・・・。「トウフ作ったことがあります」の発言に笑ってしまいました。作ってみたい・・・(顔文字付きでしたが省略)
最初は難しいとか聞いてたけど,受けてみると「意外とできる」みたいな感じでよかった。
使用言語が抽象的過ぎると思います。
ちょっとむずかしい
熱意はとても感じ取ることができた。が,ある程度の予備知識のない人間にとってはついていくことが難しい授業・課題となった。
複数項目 [興味]普通の社会活動を経済的に分析し,解説したのがおもしろかった。
[ウェブ]プリントが非常によくまとまっていて勉強しやすかった。やる気もでた。
[満足度]とにかく,よくまとまっていたので勉強のやる気がでてやりやすかったことが一番よかった。他の先生もぜひ見習ってほしい。
[その他]大学によくありがちな一方通行の授業じゃなくてよかった。
[難易度]抽象的な言葉や概念が多く,理解が少々難しかった。
[レポート]授業内容の良い復習になった。
[その他]マクロやミクロといった数理中心の経済学とは違った経済への視点を知ることができたことは,個人的にとても有意義な体験でした。
[興味]論理が一貫していて理解しやすかった。そのため関連のことなどさまざまな興味がもてた。[難易度]まじめにやっている人には十分なレベルだと思う。難しいのは集中してないからでは?
[プロジェクター]授業に集中するにはいい形態。
[ウェブ]経済学部の教授の中では充実しているサイトだった。
[その他]経済で最もエグいという評価を聞いたが,それほど難しくなく,むしろ理解しやすいよい授業だった。
[理解度]後半になるにつれて分からなくなってしまいました。
[プロジェクター]後ろの席ではプロジェクターが見えなかった。
[難易度]普段は考えないようなことなので,具体性がわいてこなかった。
[プロジェクター]画面に書いてある文字が見にくいことが多かった。めくるのが早く,書きながら説明をきくのが難しい。
[板書]字が見にくいことがあった。図はわかりやすいと思った。
[レポート]回数は多かったが,その都度確認できてよかった。
[他の授業と比較した満足度]内容が整理されていて良かったと思う。
[興味]「資本主義」や,その問題が少しでも分かったようで楽しかった。
[難易度]100%理解できないようなことはほとんどなかった。
[ウェブ]webを活用した授業大好きです。
[レポート]書くことで良い復習になった。[熱意]マルクス経済学が先生でよかったと思います。
[その他]プロジェクタとレジュメのレイアウト(改行など)が微妙に違うのが気になりました。勉強しやすいとても良い授業だと思いました。マル経にも興味を持てました。ありがとうございました。
[興味]普段の生活が密接に資本主義にかかわっていることを改めて知ることができた。
[難易度]丁寧な授業だった。
[解説・熱意]自動車など身近な例がわかりやすかった。Webサイトに熱意が感じられた。
[満足度]人により好き嫌いがわかれそうな授業だった。
[その他]匿名で評価させるのは勇気があると思う。
[興味]価値の概念など,普段知っている言葉を詳しく(経済的に?)知れてよかった。
[満足度]マルクスの話が出てこないので,まだなんとも・・・後期に期待。
*「マルクスの話が出てこない」?授業内容はすべてマルクス経済学でマルクスの理論が基礎になっているんですが・・・マルクス個人の話については初回の授業で若干触れています。
理解 マルクス経済学は独自の概念や論理展開が多いため,授業を受ける前は理解できないのではと不安になりましたが,講義を常に聴き,課題を作成することで,概念を自らの頭の中で整理し,理解することができました。講義への参加と,課題の作成の重要性を実感しました。(ただ,学生だから当たり前といえば当たり前ですが),理解のための復習にかなり時間がかかりました。
初めに抱いていたマルクス経済学というものに対する考えは,この授業で全く変わりました。理論がとても納得できましたし,課題によってもっと理解できました。ただ試験の量に対しては不安を感じています。
部分部分で分からないところもありましたが,大体理解できたと思います。プロジェクターの補足説明でより分かりやすくなったと思います。細かな例まで言ってくれるのでわかりやすいです。
(2) プロジェクター プロジェクターの画面の切り替えが少し早めだったので,ついていくのが大変でした。
ダウンロードできるレジュメには,プロジェクターに書いてあることが書いてないので,それを写すのにかなり時間がかかる。先生は自分の話を聞くように言うが,実際問題としてそれは難しい。だから,プロジェクターで使っているレジュメをウェブにUPしてほしい。
*「プロジェクターの切り替えが早く書き写せない時があった」,「書き写している間に先生の話が聞けないのでレジュメとプロジェクターを同じにしてほしい」というような同様の要望は20件ありました。
(a)レジュメで空欄となっていてプロジェクターに書かれている部分は,わたしの説明の重要部分でしっかりと理解してもらいたい部分となっています。さらに図解などを加えて板書することもあります。わたしの話・プロジェクター・板書・レジュメの空欄,それぞれが別々ではないのです。
このような感想を持った人はそこのところを誤解しているのではないでしょうか?

(b)レジュメとプロジェクターが同じならプロジェクターは必要ないでしょう。このような方法をとっているのは重要部分を自分で書くことによって理解が深まるからです。書くのが間に合わないと思った人は自分なりに省略文字や記号を工夫して見たらいかがでしょうか?また,何度も繰り返しているように,レジュメを利用して予習していれば書く内容は予想できるはずですし,プロジェクターの文字を写して終わりではなく,復習することによって埋めることもできるはずです。
(c)大学の講義なのですから,あまりに至れり尽くせりを希望されても困るというのが実感なのですが,こういう要望があまりに多かったので,試験前にプロジェクター原稿をQ&Aにアップしました。
(d)この要望とは逆に以下のような感想もありました。
プロジェクターの穴埋め方式が本当に理解しやすかったです。
プロジェクターの穴埋め方式がとてもいいと思います。
『経済原論』の大事なところを抽出してくれているので,理解に役立った。
プロジェクターの字が少し見にくいので,もう少し字を大きくして欲しい。課題は学習の上でとても役に立ったので良かった。
*プロジェクターの字が少し見にくいという感想は他にも2件ありました。字を大きくすると1画面に入る文字数が減り,レジュメと違うので困るという感想もあって,こちらも困るところですが,検討します。
プロジェクター
・板書
書く部分が多すぎて,先生の話を聞けない時がありました。もうちょっと減らした方がいいと思います。
*板書が多すぎるので減らしてほしい,という同様の要望が7件ありました。板書を多くという要望は過去にありましたが「減らせ」というのは初めてです。プロジェクターも板書も無しにして話すだけの方がいいですか?それで重要部分をすべてノートできますか?
目で見て,耳で聞き,頭で理解しながらノートをとる,というのはみなさんがこれから身に付けていくべき能力の1つだと思いますよ。
ウェブ
・レジュメ
ウェブサイトにレジュメをアップしてる期間が短すぎる。何で以前のを消すのかが分からない。<同種2件>
*ウェブサイトのレジュメは予習と授業でのノートのためのものです(ダウロード・ページに注意書きがあります)。遅くとも1週間前までにアップしてありますし,授業終了後も数日から1週間程度残してあります。そもそも,授業が終わった後にダウンロードする意味があるのでしょうか?
プリントで用いられる番号の使い方が多少わかりにくく感じました。それぞれの項目がフロー的なものなのか,同列のものなのかがわかるとより使いやすい気がします。授業は全体的にわかりやすく,やる気が出ました。
*大分類から順に,章,節,項(ここまでテキストどおり),(1),@,1)のようになっています。テキストや講義内容から明らかだと思うのですが・・・
資料をWordファイルでダウンロードしていたのですが,プロジェクターに映るものと形が違うことがあって,話を聞きながら書くべきところを考えるのが大変だったので,同じ形にして欲しいです。
*レジュメとプロジェクター原稿を同じ形式にすると,画面に写す文字を小さくするか,レジュメの枚数が今の2倍ぐらいになってしまいます。ダウンロードしたレジュメは予習の便宜の意味があるので,前もってレジュメとテキストを読んでおけば何を書くべきかはわかるはずですが。
レポート レポートが大変だったけれど身についた気がする。
レポートは文章力が身についたので良かった。
レポートは大変だったけど,授業内容の理解には役に立ちました。
課題がやや難しかったです。でもおかげでいきなり期末テストに突入することはなくなったので良かったと思います。
授業方法 非常にわかりやすい形式の授業でよかった。
説明やレジュメなど,とても分かりやすかったです。
[ウェブ]ポイントが書かれているのがいい。
[レポート]少し量が膨大になってしまう課題もあるので,もう少し要点を小さくしてほしい。
[話し方]速い。
言葉のみで補っている部分をレジュメか板書に写してほしい。レポートは試験のときには報われるが,キツい
内容は分かりやすく,面白かったです。レポート内容も重要な部分であったと思います。できれば書いた後それに対する解説が聞けるように内容をもっとしぼるか,書く量を減らして欲しかったです。
進度 回によっては,ノートの量が多すぎると思うときもあったが,基本的には授業の進度・ノートの量ともちょうど良かった。
概念の説明をもう少し省いて,進度を上げて下さるとありがたいです。
やや授業のスピードが早いです。
その日によって進度がバラバラで先生の話をゆっくり聞いて考えることができる日もあれば,進度が速すぎて1時間書きっぱなしな上,プロジェクターのスピードについていけず書ききれなくてストレスが溜まり,また話が全く聞けなくて理解できない日もあって非常に困った。
複数項目 [プロジェクター]文字が薄くてやや見にくかったです。
[レポート]改めて文章にすることで理解が深まりました。
授業はわかりやすかったが,課題が少し難しかったです。具体例が多くてわかりやすかった。プロジェクターの進むのが早くてレジュメに写しきるのが大変であった。課題レポートのおかげで勉強するようになった。おもしろかったので全部出席しました。
(3) 話し方・解説 何回かききとれないことがあった。たまに早くてついていけない。
音が聞き取りづらいし,ボソボソいいすぎ。
もう少し話し方に抑揚をつけてください。
早口です。
理論的な話が主になりながらも,ところどころに身近な例をはさんでもらえたので,理解を深めるのにとても助けになった。
熱意  授業中の先生の様子や,Webページの内容を見て,「生徒に教える気」がとても感じられました。どうもありがとうございました。
(5) 満足度 経済学の授業の中では自分が受けたもののなかで最も充実していた。Webサイトがよくできていると思った。
授業が大変と聞いていたが,レジュメがあり,勉強しやすかった。講義にも出席する気になれた。後期に別の授業を履修してしまったことを後悔しています。ありがとうございました。
(6) その他 ゼミに入りたくなりました。
教科書についても授業でもっとあつかってほしかった。
一見とっつきにくそうですが,親切ですね!
半ば強制的に席を前の方に座らなければいけないシステムが少し嫌でした。(目の見えない人は前の混雑した席に座らなくてはいけないから)
*身体的ハンディのある人に関しては学事センターから連絡があるはずなんですが・・・。ちょっと意味がわかりません。不都合があれば直接言いに来て下さい。
学生の目を見ながら話してほしかった。もう少し質問に親身に答えてくださると幸いです。
*できるだけ出席者全員を見て話すように心がけていますが,200人ぐらいを相手に「目を見ながら」話すというのはちょっと無理なのでは?授業内容について質問に来た人には納得されるまで例外なくきちんと答えているはずです。ただし,レポート提出や授業方法など,初回授業などで説明済みでウェブページを見ればわかることに関しては「親身に答え」ない場合もあります。

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