第3章4.独占市場における従量税
正誤訂正

(第1刷のみ;第2刷では修正されています)

追加情報

 独占市場における従量税も、納税義務者が企業の場合と家計の場合で、均衡が同じになる理由を説明しよう。まず、納税義務者が企業の場合の供給量は、曲線MRと曲線MC'の交点である図3−10の点κで決まる。そして、図3−10の点δは、点κよりも1単位当たり従量税額t分だけ下に位置している。ここで、点κは曲線MR上にあることに注意したい。
 次に、納税義務者が家計の場合の供給量は、曲線MR'と曲線MCの交点である図3−11の点ζで決まる。また、曲線MR'は曲線MRより1単位当たり従量税額t分だけ下に位置している。
 ここで、図3−10の点δについて、曲線MR上にある点κよりも1単位当たり従量税額t分だけ下に位置しているから、点δは図3−11における曲線MR'上の点であるといえる(ただし、図3−10には曲線MR'は描写されていないので、下の図を参照されたい)。しかも、曲線MR'は曲線MCとは1点でしか交わっていないから、図3−11の点ζと図3−10の点δは同じ点であるといえる。注A1 したがって、図3−10の点δが示す需給量Q1と図3−11の点ζが示す需給量Q3は同じであるといえる。
 ちなみに、図3−10の点γと図3−11の点zは同じ点であり、図3−10の点vと図3−11の点ηは同じ点であり、図3−10の点xと図3−11の点yは同じ点である。  :正

図3−10と11の同じ点を説明した図

脚注
1.図3−10や3−11では、曲線DMRMR'、MCは直線として描かれているが、曲線Dが単調減少関数の曲線で、曲線MCが単調増加関数の曲線であれば、曲線MR'と曲線MCは1点でしか交わらないことがいえる。

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