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反グローバリズム派は、世界経済が市場経済化することによって貧富の格差が拡大したり地球環境が悪化することを懸念して、グローバリズムに反対する勢力である。確かに、いわゆる「グローバリズム」=アメリカ化という側面は否定できないし、死者が出たことは遺憾だが、安直に反グローバリズムの意見を聞くべきではない。 市場経済化がよくないというなら、それに代わる経済体制はあるのか。答えは否である。20世紀の歴史が示すように、社会主義・共産主義は貧富の格差を是正することも目指していたが、ソ連などの社会主義国で起こったことは貧富の格差の拡大と環境悪化だった。協同主義など「市場での競争」に反感を持つ考え方も、結果的には社会主義・共産主義の化身にすぎない。結局、人々のモラル・ハザードや怠慢や腐敗を防ぐには、市場での競争による規律づけしかない。市場での競争は弱肉強食であるが、弱者には市場での競争で得た経済全体での利益から一部を再分配するというセーフティネットを用意すれば十分である。 反グローバリズム派のデモで、サミットの開催のあり方も問われているが、サミット開催を従来通り行えないようでは、反グローバリズム派の思うツボである。その意味でも、彼らの意見を安直に聞き入れるべきではない。
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