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「温泉の活用で高齢者の医療費を抑制することができる」と聞いて、私は目からウロコが落ちた。社会保障を研究している経済学者は多く、高齢者医療費の増加に伴い、その将来の医療保険の財政をどのようにうまく運営していくかが学界でも様々に議論されている。しかし、万人が納得できる妙案は必ずしも得られていないのが現状である。 その中で、高齢者の方々に既存の温泉施設を活用して、健康を維持して頂ければ、これまで余分に多く使われていた医療費が支出されずにすむ。無駄な公共事業の代名詞として挙げられた農村部の温泉ランドも、これなら無駄というそしりを受けずにすむ(万事塞翁が馬というべきか…)。 そして、これにより、病院の待合室で「おばあちゃんが今日は(病院に)来ていないから、体の具合が悪いのかしら」などという有名な冗談のような状況が、少しでも解消されれば、高齢者だけでなく、多くの保険料の負担を強いられている勤労世代にも、保険料が不必要に引き上げられずにすむから、恩恵が及ぶのである。
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