第11章2.間接民主制の功罪
追加情報

ここでは、内容に関連して、本書に付け加える情報をお伝えします。

図3 間接民主制での投票結果 について

この図が、すでに刊行されていた の276ページにある図と類似していることが、柴田弘文先生のご指摘により明らかになりました。著者は、ご指摘を頂いて第2刷にて上記文献の引用を明示致しました。

 ちなみに、本書作成の裏話ですが、
本書の図3に関する説明を考えるきっかけとなったのは、「田中角栄の1/4の論理(国会で過半数を取りたければ、その1/4の代議士でよい。なぜなら、国会では自民党が過半数を取れば国会の議決は自民党の意向で決まり、自民党の意向は自民党員の過半数で制することができる。つまり、全国会議員の半数の半数、1/4さえ抑えていれば国会の議決を制することができる。このように田中角栄氏が指摘し、実際自民党田中派はそれを目指した。)」でした。これこそが間接民主制が直接民主制と異なる社会的決定を下すという話を集約していると感じていたため、それを具体的な数値例を用いて、特に何の先行研究も参照せずに、説明しようと試みたのでした。 『公共経済学』ではその説明の最後に、政治的「てこ」の原理(間接民主制の下で、選挙区や代議士の数が十分に多ければ、全有権者の1/4の支持さえあれば社会的決定を支配することができる)が証明されています。今から思えば、本書の説明は、『公共経済学』で説明されたちょうど逆のルートで考えついたことになります。


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