グレーヴァ研究会

本研究会ではミクロ経済学とゲーム理論を学びます。理論的文献の正確な理解から始まり、自分が理解したものを正確かつわかりやすく他人に伝えるプレゼンの技術、ハンドアウト作成の技術も学び、ディベートやインゼミ討論会で、論理的に議論する機会も与えられます。最後に自分なりに簡単な理論研究を行なって「理論文献を書く」トレーニングまでして終わるというプログラムです。

ゲーム理論の技術をマスターしたいというのもよいことですが、単なる「作業者としての能力」取得だけを目指すことは(ゲーム理論に限らず)、これからのAI、ロボット時代において「人間」である我々にとって比較優位を与えません。本研究会では、「自然言語(英語、日本語)の能力の向上」にも力を入れます。それが読解能力、プレゼン能力、最終的には論文を書くトレーニングとなっています。粘り強く、深く、考えられる人になってほしいです。

2022年度新規募集は終了しました。

2022年度前期

4-5月の教科書:Osborne and Rubinstein "Models in Microeconomic Theory" (Open Books, 2020) Chapter 1 の後はChapter 10の予定。

Ariel Rubinsteinのウェブサイトから各自ダウンロードすること。

本ゼミの前には各自で、必ず予習をすること。予習とはその文献だけを読むということでは必ずしもない。わからないことがあったら関連文献を自分で図書館などで探して、テキストの主張の根拠(途中の計算、書いていない証明等)、用語の意味などを「自分なりに」完全に理解してくるということ。
4年になったら、レジュメに付加価値を付けられるようになることが目標。自分なりの証明や、テキストに書かれていないが関連した結果を調べてくるなど。
レジュメの見本はこちら

4年生は就職が決まったらすぐに復帰すること。資格試験の勉強などは欠席の理由にならない。

夏合宿:3年生は2チームに分かれてディベート。
4年生は卒論の中間報告。

後期

引き続きミクロ経済学またはゲーム理論の文献の輪読。
10-11月ごろにインゼミの予定

12月の本ゼミにて4年生は卒論の3/4報告を行う。

1月前半:3年生は各自卒論のテーマと研究方法について担当者と個人面談を行うのでそれまでに準備してくること。
1月後半:4年生は卒論の〆切。

(他大学の経済学研究科に進学希望で推薦状が必要な場合は、3年終了時までに相談に来てください。ミクロで進学したい場合、ゲーム理論やミクロ中級などの成績がよいことは大前提です。)

卒論について

グレーヴァが指導できる卒業論文はミクロ経済学またはゲーム理論の、理論的論文に限ります。

形式:A4サイズで20ページ以上。日本語または英語。ワープロ、手書きいずれも可。手書きの場合、コピーを提出して、原本は自分で保管して下さい。1月末の提出時には製本してある必要はありません。3月にみんなで製本キットを使って製本します。
箇条書きや、レジュメのようなものは論文ではありません。何らかの学術雑誌(三田学会雑誌でもよい)の体裁を踏襲するとよい。

論文の構成:

第1章:これから分析する経済問題の背景について調べたことを書く。どうしてこの問題を分析することに意義があるのかを書く。
第2章:問題を表現するモデル。他人のモデルをそのまま借りてきてはいけない。単純なものでもいいから、自分のモデルを作り、それが第1章で書いたテーマを的確に表現していることを説明する。
第3-x章:分析。簡単な均衡から、より現実的あるいは一般的な均衡。モデルを発展させて、さらに均衡を出す、など。
最終章:結論。何がどこまでわかったのか。残された問題。
参考文献:あれば必ず書くこと。(引用は本文中でその都度、どこから引用したのかを明記すること。)

過去のテキスト

前期の最初の文献:岡田章『ゲーム理論・入門』(有斐閣アルマ)、神戸伸輔著『入門 ゲーム理論と情報の経済学』(日本評論社)、奥野正寛著『ミクロ経済学』(東大出版)、松井・梶井『ミクロ経済学:戦略的アプローチ』(日本評論社)など。

慣れてきたら:James Webb "Game Theory: Decisions, Interaction and Evolution" (Springer, 2007), Osborne and Rubinstein "Models in Microeconomic Theory" (Open Books, 2020), Steven Tadelis "Game Theory: An Introduction" (Princeton, 2013), John Riley “Essential Microeconomics” (Cambridge, 2012), Ariel Rubinstein, "Lecture Notes in Microeconomics: The Economic Agent" (Princeton, 2010, 2018), Bernheim and Whinston "Microeconomics" (McGraw-Hill, 2008)、Osborne "An Introduction to Game Theory" (Oxford, 2004), Binmore "Fun and Games" (Heath, 1992), Bergin "Microeconomic Theory: A Concise Course" (Oxford,2005), Varian "Microeconomic Analysis" (Norton, 1992), Mailath and Samuelson "Repeated Games and Reputations" (Oxford, 2006), Ichiishi "Microeconomic Theory" (Blackwell, 1997)など。

インゼミ:神戸大学経営学部末廣ゼミ、一橋大学商学部伊藤ゼミ、名古屋大学経済学部花薗ゼミと討論会。2008年度のテーマは『企業と環境』、2009年度のテーマは『メディアと広告戦略』、2010年度のテーマは『地方空港の活性化』、2011年度は『電力供給問題:公共性、効率性、利権』、2012年度は『日本企業のガバナンスは十分機能しているのか』、2018年度は『働き方改革を考える:残業の削減と高プロ制度を中心として』。2020年度は本学部玉田ゼミ、大阪大学経済学部安田ゼミと行い、共通テーマは『プラットフォーム』。2021年度、本学部玉田ゼミ、名古屋大学経済学部花薗ゼミと討論会。共通テーマは『GAFAはどのような経済問題を引き起こしていて、各国の政府や国際社会はそれらにどう対処することが必要か、をゲーム理論とミクロ経済学で分析する』でした。