1月
・トランプ前大統領が2024年大統領選挙予備選への出馬資格を認めないとしたメイン州のべロウズ州務長官の12月28日の決定に対して,判断の根拠とされた自身の演説は反乱を扇動する内容ではなく,合衆国憲法修正第1条で保障された言論の自由に当たるとして州裁判所に上訴(2日)。
・トランプ前大統領が同氏の2024年大統領選挙の共和党予備選への立候補を認めないとしたコロラド州最高裁の決定を不服として連邦最高裁に介入を要求,大統領資格の可否は連邦議会に委ねられていると主張(3日)。
・イリノイ州とマサチューセッツ州でリベラル派の団体「フリースピーチ・フォー・ピープル」の協力で有権者や有権者団体が州選挙当局に対して,トランプ前大統領を合衆国憲法修正第14条の「反乱者の禁止」を根拠として,2024年大統領選挙の共和党予備選の投票用紙から除外するよう申し立て(4日)。
・トランプ前大統領がワシントン連邦地裁のチャトカン判事に対して,トランプ氏を刑事訴追しているスミス特別検察官とその事務所の検事らについて,トランプ氏が2020年大統領選挙結果を覆そうとした疑惑をめぐる訴訟でチャトカン氏が訴訟手続きの一時停止を命じたにもかかわらず,スミス氏らが文書提出を続けているとして,法廷侮辱罪など厳しい制裁措置が課されるべきだと申し立て(4日)。
・トランプ前大統領が2020年大統領選挙のジョージア州での投票結果を自身に有利なように歪曲するよう干渉した疑惑をめぐる裁判で,大統領の免責特権により訴追から守られていると主張し同州の判事に起訴を取り消すよう要求(8日)。
・トランプ前大統領と一族企業の詐欺についての民事訴訟担当のニューヨーク州裁判所のエンゴロン判事が11日の最終弁論でトランプ氏の発言を認める条件として,裁判と関連する証拠に基づく事実に内容を限定し,新たな証拠の提示や選挙演説,判事や裁判所職員への非難など裁判と無関係の発言を禁止することについて,同氏から期限内に回答がなかったため,最終弁論で同氏の発言を認めないと発表(10日)。
・イエレン財務長官がトランプ前大統領が主張する関税引き上げ案について消費者にとってコスト負担が増加すると否定的コメント(10日)。
・ニューヨーク州裁判所でトランプ前大統領と一族企業の詐欺についての民事訴訟の最終弁論で被告代理人の弁論終了直後にトランプ氏が「これは政治的な魔女狩りだ。我々が損害賠償を受け取るべきだ」などと5分間にわたって発言,エンゴロン判事が制止(11日)。
・アイオワ州の2024年の大統領選挙の候補者を選ぶ共和党党員大会でトランプ氏が大差で勝利(16日)。
・トランプ前大統領が大統領選挙に向けたコロラド州の共和党予備選挙への立候補を認めないとした同州裁判所の判断を不服として連邦最高裁に上訴した訴訟で,州裁判所の判断の根拠とされた合衆国憲法修正第14条の規定は大統領に適用されないなどとする弁論趣意書を提出(18日)。
・フロリダ州のデサンティス知事が大統領選挙の共和党候補の指名争いから撤退しトランプ前大統領を支持すると発表(21日)。
・バイデン大統領が51年前に中絶の権利を合法と認めた連邦最高裁の「ロー対ウェイド判決」が示されたこの日、米国の各州で中絶規制が広がっていることを挙げて,女性が「残酷な現実」に直面していると指摘し,共和党が推進する中絶規制について「このような過激な法令は米国のどこにも居場所はない」と強く非難,ハリス副大統領はウィスコンシン州ミルウォーキーを皮切りに全米に中絶擁護を訴える遊説を開始,「トランプ氏はロー対ウェイド判決を覆すために最高裁判事3人を指名した。同氏はあなた方から自由を奪う決定をした」とトランプ氏を激しく攻撃(22日)。
・2024年大統領選挙の共和党候補指名のニューハンプシャー州での予備選挙で開票率89%段階でトランプ氏の得票率が54.6%,ヘイリー氏が43.2%,トランプ氏がヘイリー氏に撤退を求めるもヘイリー氏は応じず(23日)。
・トランプ前大統領が作家ジーン・キャロル氏への性的暴行を否定し名誉を毀損したとして訴えられていた訴訟で,ニューヨーク州マンハッタン連邦地裁の陪審がトランプ氏に8330万ドルの損害賠償支払いを命じる評決(26日)。
・バイデン大統領が国境管理強化に向けて超党派で議論されている法案について,サウスカロライナ州出の演説で「制御可能な状況となるまで、国境を閉鎖する権限を大統領に与えるものだ」と説明し,「仮にきょう法が成立すれば私は直ちに閉鎖し事態を治めるだろう」と述べる。トランプ前大統領は移民流入を防ぐために軍および法執行面での資源を投入すると演説,連邦議会共和党に対しては民主党との妥協をしないよう圧力(28日)。
2月
・2024年大統領選挙についてのCNN委託の調査会社SSRSの世論調査で登録有権者の49%がトランプ氏支持,45%がバイデン氏支持,5%が別の候補に投票すると回答(2日)。
・ワシントンDCの連邦控訴裁判所が2020年の大統領選挙の結果を覆そうとした疑惑で起訴されたトランプ前大統領について,大統領の免責特権は適用されないとの判決(6日)。
・トランプ前大統領がイスラエルへの支援140億ドルとウクライナへの支援600億ドルを含む1180億ドル規模の超党派による国境警備法案について,民主党の政治的勝利を阻止するために廃案に追い込むよう共和党下院議員に呼びかけ,バイデン大統領はトランプ氏の政治的圧力により同法案が崩壊しつつあると批判(6日)。
・連邦議会下院本会議で共和党提出のイスラエルへの176億ドルの軍事支援供与の法案を否決(6日)。
・連邦議会上院本会議で移民規制のための国境警備強化法案が承認に必要な60票に満たず否決(7日)。
・2024年の大統領選挙での共和党の候補指名のためのネバダ州と米領バージン諸島での党員集会でトランプ前大統領が圧勝しネバダ州で26人,バージン初頭で4人の代議員を獲得(8日)。
・トランプ前大統領がペンシルベニア州での全米ライフル協会主催のイベントで,大統領に再任されればバイデン政権が導入した銃規制をすべて撤廃すると言明(9日)。
・トランプ前大統領がサウスカロライナ州で開かれた選挙集会で,大統領在任中にNATO加盟国首脳に対して十分な軍事費を支出しなければ米国は加盟国を防衛しない,ロシアに対して好きなようにするよう伝えるだろうと警告したと述べたと演説,ホワイトハウスのべいつ報道官は「残忍な政権に対して我々の最も近しい同盟国への侵攻を勧めるとは,恐ろしく,錯乱している。米国の国家安全保障や世界の安定、米国の経済を脅かすものだ」と非難(10日)。
・連邦議会上院本会議でウクライナへの支援600億ドルやイスラエルへの支援141億ドル,ガザ地区やヨルダン川西岸地区,ウクライナの民間人への支援92億ドルなどを盛り込んだが963億ドル規模の法案を賛成70人,反対29人で可決,共和党からマコネル院内総務を含む22人が賛成票(13日)。
・NATO加盟国のうち軍事費の拠出が基準に満たない国に対してロシアの侵攻を促すとの趣旨のトランプ前大統領の10日のサウスカロライナ州での発言に対して,バイデン大統領がロシアのプーチン大統領に屈服することを意味すると非難(13日)。
・ロイター/イプソスの大統領選挙についての世論調査でトランプ氏の支持率が37%,バイデン氏34%,その差は先月調査の6%から3%に縮小,刑事訴追されているトランプ氏に重罪で有罪評決が下されれば同氏に投票しないとする回答割合が共和党員の4人に1人、無党派の約半分(13日)。
・イエレン財務長官が米国はウクライナの支援の約束を果たすことが決定的に重要で,それを怠ればロシアによる民主的な諸国への攻撃を助長することになる,NATO加盟国への攻撃に対して米国が防衛しない可能性に言及したトランプ前大統領の発言は「非常に無責任」と非難(14日)。
・ニューヨーク州のジェームス司法長官がトランプ前大統領と一族が経営する企業が金融機関から有利な条件で融資を引き出すため資産を過大に計上していたとして提訴した裁判で,ニューヨーク州連邦地裁がトランプ氏に対して3億5490万ドルの罰金支払いとニューヨークで法人の経営に携わることを3年間禁止する判決(16日)。
・2024年大統領選挙の共和党の候補者を選ぶサウスカロライナ州の予備選挙でトランプ前大統領が勝利(24日)。
・ミシガン州での大統領選挙の民主党と共和党の候補指名の予備選挙でバイデン氏の得票率が約80%,「支持候補なし」が13%,トランプ氏の得票率は67%,ヘイリー氏が27%(27日)。
・イリノイ州クック郡巡回裁判所が2021年1月の連邦議会議事堂襲撃にトランプ氏が関わったことが反乱に関与した人物の公職就任を禁じた合衆国憲法修正第14条3項に違反するとして,トランプ氏は2024年大統領選挙の同州での予備選への立候補を認めない決定,同様の決定はコロラド州,メイン州に続いて3州め(28日)。
3月
・ミシガン州,ミズーリ州,アイダホ州での大統領選挙の共和党候補を指名する党員集会でトランプ前大統領が勝利,同氏の勝利はアイオワ州,ニューハンプシャー州,ネバダ州,米領バージン諸島,サウスカロライナ州に続いて8州(地区)め(2日)。
・ワシントンDCでの大統領選挙の共和党候補者を選出する予備選でヘイリー元国連大使が得票率62.9%で勝利,トランプ氏は33.2%(3日)。
・連邦最高裁が,コロラド州の裁判所が2020年の連邦議会議事堂襲撃事件にトランプ前大統領が関与したとして,合衆国憲法修正第14条3項の反乱に関与した者は公職につけないとする規定に該当するとして大統領候補の資格なしとした決定を覆す判断(4日)。
・大統領選挙に向けた民主党と共和党の候補選出のための5日の予備選挙・党員集会(「スーパーチューズデイ」)で,トランプ氏が15州のうち14州で勝利,ヘイリー氏はバーモント州で勝利するも候補者争いからの撤退を表明,バイデン氏は米領サモアでの敗北以外で勝利するもイスラエルへの軍事支援に反発した有権者の「支持候補なし」の投票がミシガン州で約10万人,ミネソタ州で4万5000人など無視できない比率(6日)。
・バイデン大統領が一般教書演説で「国内外の両方で自由と民主主義が攻撃されている」として,連邦議会に対してウクライナへの支援の継続を呼びかけ,国防費の拠出額の基準を満たさないNATO加盟国はロシアに「好き放題にさせる」とのトランプ前大統領の発言について,「私の前任者、前の共和党の大統領」の発言は「言語道断で受け入れ難い」と非難し,2021年1月の連邦議会議事堂襲撃事件について,前任者と関係者たちは「1月6日に関する真実を隠そうとしている」と非難(7日)。
・トランプ前大統領が女性作家への名誉棄損で8330万ドルの支払いを命じられたニューヨーク州地裁の評決について,トランプ氏の代理人が9163万ドルの支払いを保証する保険会社の債券を提出し控訴手続きを開始,同氏は2月に同氏と一族企業が金融機関から有利な条件で融資を引き出すため資産を過大に計上していたとして3億5490万ドルの罰金支払いの命令を受けている(8日)。
・バーニー・サンダース上院議員がCBSテレビのインタビューで,トランプ氏が大統領に当選すれば「米国にとって最悪の事態になる」と警告し,急進左派の「プログレッシブ」に対してバイデン大統領に投票するよう呼びかけ(10日)。
・トランプ前大統領のフロリダ州の自宅の「マール・ア・ラーゴ」の元職員のバトラー氏がCNNのインタビューで,トランプ氏が所持していた政府の機密文書の箱を運び出した経緯を説明し,トランプ氏に対する疑惑や訴訟について「これは魔女狩りではない」と述べ,大統領選の前に有権者が事実を知るべきで,何も間違ったことをしていないというトランプ氏の主張は「すべて偽り」だと言明(12日)。
・トランプ前大統領が自分が大統領に再選されれば2021年1月の連邦議会襲撃への関与で収監されている「人質」の釈放が大統領として行なう最初の措置の一つとなるとSNSに投稿(12日)。・2024年大統領選挙の民主党候補がバイデン大統領指名で確定,共和党候補がトランプ前大統領指名で確定(12日)。
・フロリダ州連邦地裁がトランプ前大統領の機密文書の不正な取り扱いに関する裁判でトランプ氏側の罪状が曖昧だとして起訴を取り下げる申し立てを却下(14日)。
・ニューヨーク州地裁がトランプ前大統領が起訴された不倫口止め疑惑に絡む業務記録改ざん事件で,証拠が追加で提出されたために25日に予定されていた初公判を30日間延期すると発表(15日)。
・共和党のペンス前副大統領が11月の大統領選挙でトランプ前大統領を支持しないと発表(15日)。
・トランプ前大統領が資産額や不動産価値を偽って銀行から借り入れたり保険をかけたりする際に不正利益を得たとして利益の返還を命じられた裁判で,同氏の弁護士が資産差し押さえを阻止するために必要な保証金4億6400万ドルが用意できていないと述べる(18日)。
・トランプ前大統領がNATO加盟国が防衛費をさらに負担しない限り,米国はロシアによる将来の攻撃からNATO諸国を防衛しないと改めて主張(19日)。
・ニューヨーク州連邦地裁がトランプ前大統領と一族が経営する企業が金融機関から有利な条件で融資を引き出すため資産を過大に計上していたとしてトランプ氏に対して3億5490万ドルの罰金支払いを命じた2月16日の判決に対して,同州連邦高裁が控訴に必要な保証金4億5400万ドルを1億7500万ドルに減額し納付期限を3月25日から10日間延長(25日)。
・トランプ前大統領が不倫口止め疑惑に絡む業務記録改ざん容疑で起訴された件でニューヨーク州マンハッタン地区刑事裁判所がトランプ氏に対して,裁判で証言する可能性がある人物,弁護士や裁判所職員,検察,弁護士の家族について,裁判への干渉を意図した発言を,陪審についての発言も禁止する命令(26日)。
・共和党のマアウスキ上院議員が大統領選挙でトランプ氏を支持しないと言明,「我々の党がドナルド・トランプの党になりつつあるようで残念だ」と批判(26日)。
・ロイター/イプソスの世論調査でバイデン大統領の支持率が2月の37%から40%に上昇(26日)。
4月
・共和党のウォルバーグ下院議員が3月25日にミシガン州での演説でガザ地区への人道支援について,「我々は人道支援にビタ一文使うべきではない」と力説し,「ナガサキやヒロシマのようにすべきだ。手っ取り早く終わらせよう」と発言したとCNNが報道(1日)。
・トランプ前大統領が自身と一族企業が金融機関から有利な条件で融資を引き出すため資産を過大に計上していたとして罰金支払いを命じられた民事訴訟で,控訴に必要な保証金1億7500万ドルの支払いを保証会社が担保する証明書を裁判所に提出(1日)。
・トランプ前大統領がミシガン州での演説で不法移民が容疑者となっている犯罪を列挙し大統領選で自身が勝利しなければ暴力と混沌が米国をむしばむと警告し「(不法移民は)人間ではなく動物だ」と主張(2日)。
・トランプ前米大統領がポルノ女優への不倫口止め料支払いに伴ってビジネス記録を改ざんしたとして起訴された件で,ニューヨーク州マンハッタン地区刑事裁判所が裁判を遅らせるよう求めたトランプ氏の申し立てを却下(3日)。
・2020年大統領選挙のジョージャン州での選挙結果へのトランプ前大統領の干渉疑惑の裁判で,同州フルトン軍上位裁判所のマカフィー判事がトランプ氏の起訴取り下げ請求を却下,トランプ氏は犯罪とされたものは政治的言論であり,言論の自由を定める合衆国憲法修正第1条で保護されると主張,マカフィー判事は請求却下の理由を被告の表現と言論は犯罪行為を助長するためだった疑いがある」などと説明(4日)。
・トランプ前大統領がウクライナに南部クリミア半島や東部ドンバス地方の国境地帯をロシアに割譲することで終戦に持ち込めると周囲に語ったとワシントン・ポスト電子版が報道(7日)。
・ロイター/イプソスの大統領選に関する世論調査でバイデン大統領の支持率が41%,トランプ前大統領の支持率が37%,両者の差は3月の調査より1ポイント拡大(9日)。
・アリゾナ州の最高裁が母体に危険がある場合を除くすべての人工妊娠中絶を禁止する法律に州は従うべきだとの判断(9日)。
・ニューヨーク州地裁でトランプ前大統領の不倫口止め疑惑についての初公判開催,トランプ氏は入廷前に記者団に対して「政治的迫害だ」と主張,公判では証人と証拠の採用をめぐって州検察と弁護側が応酬,その後に陪審員選任手続き開始(15日)。
・ニューヨーク州地裁でトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の2回目の公判,陪審員候補の数人をトランプ氏側が適格性を欠くとして拒否,陪審員12人のうち7人を選任(17日)。
・トランプ前大統領がウクライナに対する欧州諸国の支援額が米国より少ないことを指摘しつつ,「誰もが同意するように,ウクライナの存続と強さは我々よりも欧州にとってはるかに重要であるはずだが,我々にとっても重要だ」と,これまでのウクライナ支援への消極的姿勢を変更(18日)。
・ニューヨーク州地裁でトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判の陪審員12人の専任が終了(18日)。
・ペンシルベニア州フィラデルフィアでのバイデン大統領の選挙集会でケネディ家の15人がバイデン支持を表明(18日)。
・トランプ前米大統領が18日に「なぜ米国はウクライナ戦争に欧州よりも多い1000億ドル以上を投じているのか。なぜ欧州は米国が投じた額に匹敵する資金を出せないのか」と発言したことに対して,EUのミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)が「事実を正確に把握してほしい。EUの対ウクライナ拠出額は1430億ユーロ(1500億ドル)だ」と反論(19日)。
・連邦議会下院本会議でウクライナへの追加軍事支援608億4000万ドル,イスラエルへの軍事支援に264億ドル(ガザ地区への人道支援91億ドルを含む),台湾を含むインド太平洋地域に81億2000万ドルの支援を提供する予算案を賛成311,反対101人,棄権1人で可決し上院に送付(20日)。
・ニューヨーク州地裁でトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の公判で実質審理開始,検察側は冒頭陳述でトランプ氏が2016年大統領選前に不都合な情報を封殺していたとして「純然たる選挙不正だ」と主張,弁護側は「違法行為はなかった」と反論(22日)。
・自民党の麻生太郎副総裁が訪米しニューヨークのトランプタワー内でトランプ前大統領と約1時間会談,トランプ氏の広報担当者は会談前に「世界の指導者たちはトランプ氏の在任中の方が安全で平和だったと理解している」との声明を発表,上川外相は麻生氏の訪米は個人的な活動で政府は関与していないとコメント(23日)。
・ニューヨーク州地裁でのトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の公判で,タブロイド・メディアの「ナショナル・エンクワイアラー」誌の元発行人ベッカー氏が出廷し,トランプ氏と顧問弁護士のコーエン氏と協力してトランプ氏の評判を落とす記事を金銭によってもみ消したと証言(23日)。
・連邦議会上院本会議でウクライナに約610億ドル,イスラエルに約60億ドル,台湾を含むインド太平洋地域に約80億ドルを支援する総額953億4000万ドルの予算案を賛成79,反対18(共和党議員15人,民主党議員2人,イスラエルへの追加武器供与に反対する無所属のサンダース議員)の賛成多数で可決(23日)。
・北米建設労働組合(NABTU)が2024年大統領選挙でバイデン氏を支持すると発表,同組合のマクガービー会長は「トランプ氏の邪悪な側面は米国にとり非常に危険」とし,「間違った指導者が間違った時期に我々が努力して築き上げてきた民主主義を崩壊することは容認できない」と強調,今年1月には全米自動車労働組合(UAW)がバイデン氏支持を表明済み(24日)。
・西部アリゾナ州の大陪審が2020年大統領選挙の結果を覆そうとしたとしてトランプ前大統領の元側近のジュリアーニ弁護士やメドウズ元大統領首席補佐官を含む18人を起訴(24日)。
・トランプ前大統領が全米の大学で行なわれているイスラエル軍のガザ地区攻撃に対する平和的な抗議活動について,「とてつもないヘイト行為」と批判(25日)。
・ニューヨーク州地裁がトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判でトランプ氏に命令した箝口令に同氏のSNSやウェブサイト上の9件の投稿が違反するとして罰金9000ドルの支払いと違反とされた投稿の削除を命令,命令に従わなければ週間の可能性もあると警告,トランプ氏はSNS上で「私は歴史上,言論の自由を奪われた唯一の大統領候補だ。この裁判自体が不正だ」と主張(30日)。
・ニューヨーク市のコロンビア大学でイスラエルのガザ地区での戦闘に対する抗議とパレスチナへの連帯を示す行動を続けている学生たちの一部がキャンパス内のハミルトン・ホール(1960年代の学生運動の部隊)を占拠しバリケードで封鎖,大学当局が解散を命じた最後通告に従わなかったとして学生に対する停学処分を開始,テキサス大学オースティン校,バージニア・コモンウェルス大学,ニューヨーク州コーネル大学などでも同様の抗議行動を行なう学生と警察との衝突(30日)。
5月
・ニューヨーク州コロンビア大学でパレスチナへの連帯とガザ地区へのイスラエルの攻撃に反対し,大学に対して軍需企業やイスラエルを支援する産業への大学資金の投資を停止するよう求める学生たちがバリケードを設置し占拠するハミルトン・ホールに大学の要請で警官隊が突入し約300人を逮捕,テキサス,カリフォルニア,ジョージア,ノースカロライナ,ユタ,ヴァージニア,ニューメキシコ,ニュージャージー,コネチカット,ルイジアナの各州の大学でも同様の学生たちの抗議行動,参加者1000人以上を警察が逮捕(1日)。
・ロードアイランド州のブラウン大学でパレスチナへの連帯や大学に対してガザ地区でのジェノサイドから利益を得ている企業からの寄付金の引き揚げを要求する学生たちに対して大学側がイスラエル関連の資金引き上げを検討するとして合意,学生たちは抗議行動のためのテントを撤去(1日)。
・アリゾナ州上院議会で1864年に制定された人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁止する州法を無効とする法案を共和党議員2人が賛成に回り16対14の賛成多数で可決,下院では先週に僅差で可決(1日)。
・全米各地の大学で卒業式開催,南カリフォルニア大学では卒業生早大のイスラム教徒の女子学生のスピーチを中止,パレスチナへの連帯とイスラエルのガザ地区攻撃に抗議する学生たちの逮捕者はこれまでに計2100人超,イギリスなどの大学でも同様の抗議行動が高揚(4日)。
・トランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判でニューヨーク州地裁判事がトランプ氏が箝口令に違反したとして10回目の法廷侮辱罪を認定し1000ドルの罰金を科し,違反が続けば収監の可能性があると改めて警告(6日)。
・ニューヨーク州地裁でのトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判で不倫相手とされるダニエルズ氏が2006年にトランプ氏と性的関係を持ち,2016年の大統領選挙の前に口止め料を受け取ったと証言(7日)。
・トランプ前大統領が先月にフロリダ州の私邸マールアラーゴにエクソン・モービルやシェブロンなど大手石油会社のCEOらを招いた夕食会で,第2次トランプ政権では電気児童や優遇の廃止や新たな石油掘削の許可など,バイデン政権の環境政策を転換することによって石油会社は大きな利益を得るだろうと表明し,10億ドル規模の選挙資金を要求したとワシントン・ポスト電子版が報道(9日)。
・ニューヨーク州地裁でのトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判でトランプ氏の元顧問弁護士のコーエン氏が出廷し,2016年大統領選でトランプ氏が不倫の発覚を懸念し口止め料の支払いを指示されたと証言(13日)。
・連邦議会下院本会議でバイデン政権がイスラエルへの2種類の爆弾約3500発の輸送を一時停止したことを非難し,輸送再開を求める法案を賛成224(共和党議員の大半と民主党議員の一部),反対187で可決,上院では否決される見込み(16日)。
・ジョージア州アトランタのモアハウス大学の卒業式でバイデン大統領が学生たちに対して,イスラエルのガザ地区攻撃について「人道危機だ」と言明し「罪のないパレスチナ人が巻き込まれている。皆さんの心を傷つけている。私の心もだ」と述べ,「あなたたちの声を聞くと約束する」と呼びかけ(19日)。
・ニューヨーク州地裁でのトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判でトランプ氏は自身を弁護する証言を行なわず,証言の際に検察から詳細な質問を受ける事態を避けるためとの見方,法廷外では裁判官や検察官批判を繰り返し,28日に最終弁論の予定(21日)。
・トランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判で弁護側が最終弁論で口止め料の支払いは元顧問弁護士のコーエン氏の独断だったとして無罪を主張(28日)。
・ニューヨーク州地裁でのトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判で陪審が34の罪状すべてに有罪の評決,量刑の審理は7月11日(30日)。
6月
・トランプ前大統領が2020年大統領選挙のジョージア州での敗北を覆そうとして起訴された事件で,同州高裁が主任検事の交代を求めるトランプ氏側の訴えを審理する間,裁判を保留する判断(5日)。
・バイデン大統領が米国に少なくとも10年間居住し米国民の配偶者を持つ不法移民に対して市民権取得の道を開く措置を発表,対象者は推定50万人,米国籍の親を持つ21歳未満の子供約5万人,トランプ氏がメキシコとの国境で移民家族を引き離していると指摘し,「移民が国の血統を毒している」などと発言していると批判,トランプ氏はバイデン氏の新措置を「恩赦」と呼び「不法移民を再び招き入れる」ことになると批判(18日)。
・バイデン大統領が同性愛行為で有罪とされた退役軍人の恩赦の手続きを開始すると発表,米軍の同性愛者の性行為を禁止する規定は2013年に撤廃(26日)。
・スティグリッツ氏らノーベル経済学賞受賞者16人が大統領選挙でトランプ氏が当選した場合,米国・世界経済に悪影響を及ぼすと警告する連名書簡を発表,中国kらの輸入品に高関税を課すなどのトランプ氏の公約はインフレを再燃させるなどの理由(26日)。
・バイデン大統領とトランプ前大統領の大統領選挙の討論会開催,バイデン氏の高齢不安の懸念が現実化,トランプ氏は根拠のない主張や自己弁護の強弁,民主党内から候補者の差し替えの必要性の声,バイデン氏は撤退を否定(28日)。
7月
・連邦最高裁がトランプ前大統領の2020年大統領選の結果を覆そうとした行動の一部について刑事免責を主張しうるとの判断,公的でない行為についての免責は認めず,免責対象の判断は下級審に差し戻し,トランプ氏任命の保守派判事ら6人が賛成,リベラル派3人が反対(1日)。
・ニューヨーク州地裁のマーシャン判事がトランプ前大統領の不倫口止め疑惑の裁判について,連邦最高裁が大統領の免責特権を部分的に認めたことを受けて量刑言い渡しを9月18日に延期すると発表(2日)。
・民主党のドゲット下院議員(テキサス州選出)がバイデン大統領が大統領選から撤退するよう要請(2日)。
・民主党のグリハルバ下院議員(アリゾナ州選出)がバイデン大統領に対して大統領選からの撤退を要請(3日)。
・連邦議会上院のウェルチ議員が民主党上院議員として初めてバイデン大統領に対して大統領選からの撤退を呼びかけ,米国をトランプ前大統領から再び救いたいというバイデン氏の望みは理解するとしつつ「彼は自分がそのための最良の候補者なのかどうか考え直さなくてはならない。私見では彼はそうではない。国のために私はバイデン大統領に選挙戦からの撤退を求める」と指摘,撤退を明確に要求したのは民主党議員で10人目(10日)。
・ワシントンDCで開催されたNATO首脳会談が閉幕,「ウクライナ支援に関する共同宣言」に基づく「ウクライナ・コンパクト」が発表された際に,バイデン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領の紹介の際に「ウクライナのプーチン大統領」と言い間違え,すぐに気づいて訂正,その後の記者会見でハリス副大統領を「トランプ副大統領」と言い間違え,その後SNSで訂正と「言い訳」(11日)。
・ペンシルベニア州バトラーでのトランプ前大統領の集会で演説開始直後の銃撃によりトランプ氏負傷,集会参加者1人死亡,2人重傷,シークレット・サービスの発砲により銃撃者1人死亡(13日)。
・トランプ前大統領が副大統領候補にオハイオ州選出のバンス上院議員を選出(15日)。
・ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催の共和党全国大会でトランプ前大統領を2024年大統領選挙の候補者に指名(15日)。
・トランプ前大統領が機密文書を持ち出し自邸に違法に保管したとして起訴された事件について,フロリダ州連邦地裁のキャノン判事(2020年に当時のトランプ大統領が任命)が起訴を棄却する決定,起訴を行なったスミス特別検察官の指名が憲法違反との理由(15日)。
・政府情報当局がイランがトランプ前大統領の暗殺を企てているとの情報を入手し,国家安全保障会議とシークレットサービスが高官レベルでトランプ氏の警護を強化していたとCNNが報道(16日)。
・イラン政府が同国がトランプ前大統領の暗殺を計画していたとする米国メディアの報道は「事実無根」で「悪意ある非難」であり,トランプ氏の暗殺未遂事件に「いかなる関与も強く否定する」と非難(17日)。
・連邦検察当局がトランプ前大統領の機密文書不正保管に関する起訴を棄却したフロリダ州連邦地裁の判断を不服としてアトランタの連邦高裁に上訴,フロリダ州地裁のキャノン判事が起訴棄却の理由とした司法長官による特別検察官の任命が違法としたことについては,特別検察官の任命はこれまで裁判所が繰り返し支持,民主,共和いずれの政権も数十年にわたりこの慣行を維持(17日)。
・連邦議会下院のジョンソン議長(共和党)がトランプ前大統領の暗殺未遂事件について調査する超党派の特別委員会を来週設置すると発表(17日)。
・連邦議会上院のシューマー民主党院内総務がバイデン大統領との会談で,大統領選からの撤退が国と党のためになると進言したとABCニュース報道(17日)。
・民主党のシフ連邦議会下院議員がバイデン氏に大統領選からの撤退を要求(17日)。
・バイデン大統領が新型コロナ・ウィルス検査で陽性になったとホワイトハウス発表(17日)。
・トランプ前大統領は共和党全国大会で大統領選挙の候補者に正式に指名された後に約90分の演説,前半の30分では米国民の半数の大統領ではなく,全国民の大統領になるとこれまでとは違う宥和的内容。
しかし後半になると,事実に基づかない,または事実に反する虚偽の主張でバイデン政権を非難。
・バイデン政権下でかつてない規模で移民が流入(「史上最も大規模な侵略」と表現)したことにより犯罪が多発している,大量の移民は南米だけでなく,アフリカ,アジア,中東など世界中の刑務所や拘置所,精神病院,精神異常者保護施設から,そしてテロリストがやってきているが,現政権は移民を止めるために何もしていないと主張⇔犯罪統計では米国生まれの米国人の犯罪率は移民のそれを上回る。
トランプ氏は2017年1月の大統領就任直後の1月27日に移民を犯罪者やテロリストと同一視する認識に基づいて,対テロ政策を実施している。その誤謬についてはこちらをご覧ください。
・(トランプ政権期には)米国は世界市場もっとも偉大な経済だった⇔経済成長率は年平均2.67%,1990年代のクリントン政権期は4%。
・2021年8月のバイデン政権のアフガニスタンからの米軍の全面撤退を「米国史上,もっとも恥ずべき出来事だ」と批判⇔アフガニスタンからの米軍の全面撤退をタリバンと合意したのはトランプ政権下の2020年2月29日である。(19日)。
・ハリス副大統領が民主党への大口献金者との電話会談で11月の大統領選挙でバイデン氏が勝利すると強調(19日)。
・バイデン大統領が大統領選挙からの撤退する意向を表明,民主党の大統領候補としてハリス副大統領を支持すると述べる。トランプ氏はハリス氏の方が負かしやすいとCNNにコメント(21日)。
・ハリス副大統領が民主党の大統領選候補指名を獲得するために必要な代議員の数1976人を大きく上回る支持を得たとCNNなど各メディアが報道(23日)。
・ロイター/イプソスの世論調査(22〜23日に登録有権者1,018人含む成人1,241人対象に実施)で民主党のハリス氏の支持率が44%,トランプ氏は42%,無所属のR.F.ケネディ・ジュニア氏を加えた場合の支持率はハリス氏42%,トランプ氏38%(23日)。
・連邦議会上下両院合同会議でイスラエルのネタニヤフ首相が演説,「米国とイスラエルは結束しなければならない。我々は勝つ」と述べ,米国の軍事支援継続への支持を呼びかけ,民主党議員の約半数,ペロシ元下院議長,ハリス副大統領(上院議長)が欠席,議事堂外ではネタニヤフ首相の演説に対する数千人規模の抗議行動(24日)。
・バイデン大統領がホワイトハウスの執務室から国民に向けたテレビ演説で「新しい世代にバトンを渡すことが最善の道だという結論に至った。それがわが国を団結させる最良の方法だ」と大統領選からの撤退を説明(24日)。
・トランプ前大統領がノースカロライナ州シャーロットで開催の選挙集会の演説で民主党の大統領候補指名が確実視されるハリス副大統領を「ウソつきカマラ・ハリス」と罵倒(24日)。
・バイデン大統領がイスラエルのネタニヤフ首相との会談でガザ地区での停戦を呼びかけ(25日)。
・ハリス副大統領がイスラエルのネタニヤフ首相との会談でイスラエルの自衛権への支持を表明する一方で,ガザ地区での停戦合意の成立を要求,会談後の記者会見で,ガザ地区で起きている苦難に「沈黙するつもりはない」と強調し,イスラエルの安全が確保される形で戦争を終わらせ,ハマスに拘束されている人質全員の解放,パレスチナ人の苦難に終止符を打つこと,パレスチナ人の自由・尊厳・自己決定の権利行使のために行動する意思を表明,テロと暴力への非難と同時に無辜の市民の苦難を防ぐ取り組みの必要性,反ユダヤ主義とイスラム教徒に対する偏見その他のあらゆる憎悪感情を糾弾し国の結束に向けて行動しようと呼びかけ(25日)。
・オバマ元大統領夫妻がハリス副大統領の民主党大統領候補を支持すると電話したと通話動画を公開(26日)。
・トランプ前大統領がフロリダ州の別荘でイスラエルのネタニヤフ首相との会談後,両者の友好関係をアピールし,前日のハリス副大統領のネタニヤフ氏との会談後の記者会見での発言を「無礼だ」と非難(26日)。
・共和党のヴァンス副大統領候補が3年前にFOXニュースでカマラ・ハリス氏や民主党の同性愛議員を例示して,米国は「子どものいない猫好きの女性たち」によって運営されていると発言していたことへの批判に対して,民主党が「反家族」の党になりつつあることへの批判であり,子どもがいない,あるいは子どもを持てない人々への批判ではないと釈明(26日)。
・全米自動車労働組合(UAW)が大統領選挙でハリス副大統領を民主党候補として支持すると発表,UAWの組合員はは37万人でその多くが激戦州のミシガン州に居住・勤務(31日)。
8月
・トランプ前大統領がシカゴで開催の全米黒人記者協会の年次総会で,「ハリス氏はずっとインド系だったし,そのことだけをアピールしていた。数年前までは彼女が黒人だとは知らなかった。それが突然黒人になって、今では黒人と思われたがっている」と発言,ハリス氏は副大統領就任の際に父親はジャマイカ出身,母親はインド出身と紹介された周知の事実を無視,また,大統領選で当選した際には2021年1月の連符議会議事堂襲撃事件で有罪となった受刑者について「もし彼らが無罪なら恩赦を与える」と発言,司会者の彼らは有罪判決を受けているとの指摘に対して「非常に厳しい制度」によって有罪判決を受けたと主張(1日)。
・共和党のバンス副大統領候補がトランプ前大統領のハリス氏は最近「黒人になった」との発言についてCNNのインタビューで,ハリス氏は「聴衆に応じて別人のふりをする」人物であり,「トランプ氏が言ったのは,ハリス氏はカメレオンだということ。それがすべてだ」と擁護の主張(1日)。
・民主党全国委員会のハリソン委員長が大統領選の民主党候補を正式指名するためのオンライン投票でハリス副大統領が過半数を獲得したと発表(2日)。
・トランプ前大統領が9月4日にFOXニュース(トランプ氏支持メディア)の主催でハリス副大統領との討論会をペンシルベニア州のアリーナで多数の聴衆を入れて開催することをSNS上で提案,ハリス氏はABCニュースの主催で9月10日にバイデン氏とトランプ氏が合意済みの討論会の開催と彼女の参加を主張,トランプ氏はFOXニュース主催の討論会を恐れたのだとSNS上で主張(3日)。
・ハリス副大統領が11月の大統領選の副大統領候補として,ペンシルベニア州のシャピロ知事,ミネソタ州のウォルツ知事,アリゾナ州選出のケリー上院議員と相次いでワシントンDCの自宅で会談(4日)。
・民主党の大統領選候補者を選出するオンライン投票でハリス副大統領が投票した代議員の99%の支持を受け,候補に正式指名,ハリス氏は副大統領候補にミネソタ州のウォルツ知事を指名(6日)。
・トランプ前大統領がテレビ局主催の大統領選討論会を9月に3回行なうことで合意したと発表,9月4日にFOXニュース主催,10日にABC主催,25日にNBC主催,ABCは10日の討論会開催にハリス氏,トランプ氏が合意と発表(8日)。
・ロイター/イプソスの大統領選の支持率調査(2〜7日に全米の成人2,045人を対象に実施)でハリス氏が42%,トランプ氏が37%,R.F.ケネディ氏が10%,7月22〜23日の調査ではハリス氏37%,トランプ氏34%,ケネディ氏5%,2020年大統領選で接戦となったアリゾナ,ジョージア,ミシガン,ネバダ,ノースカロライナ,ペンシルベニア,ウィスコンシンの7州ではハリス氏42%,トランプ氏40%(8日)。
・トランプ前大統領が米国の大統領は連邦準備制度理事会(FRB)の決定に発言権を持つべきだと主張,理由として「私の場合,大金を稼ぎ,大成功を収めた。多くの場合においてFRB当局者や議長になるような人物よりも優れた直感を持っている」と述べる。(私のコメント:個人の経済活動の成功は経済学ではミクロ・レベル,FRBの金融政策は経済全体を対象とするマクロ・レベル,前者と後者は別次元の問題でミクロでの真理がマクロでも真理とは限らないのは経済学の常識,,トランプ氏がミクロとマクロの区別ができないことを自ら認めたも同然の発言,彼の関税政策が具体例:中国からの輸入に高関税を課すのは同種の商品を生産する米国企業に有利になる可能性があるが,消費者や経済全体にはマイナスの可能性大)(8日)。
・ハリス副大統領が前日のトランプ前大統領の大統領はFRBの決定に発言権を持つべきだとの発言を念頭に,FRBは大統領から独立して決定を下すべきだとの認識を表明(8日)。
・ラストベルトの大統領選の接戦3州(ミシガン,ウィスコンシン,ペンシルベニア)でのニューヨーク・タイムズ紙の世論調査(8月5〜9日実施)で「投票する予定」と答えた登録有権者の間の支持率がハリス氏50%,トランプ氏46%(10日)。
・カナダ出身の歌手セリーヌ・ディオン氏がモンタナ州でのトランプ前大統領の選挙集会で彼女の歌唱や動画が許可なく使用されたとSNS上で抗議,「使用は決して許可されてない。同様の使用も承認しない」と批判(10日)。
・トランプ前大統領が私邸に機密文書を持ち出し違法に保管したとして起訴された事件について,「悪質な政治的起訴」によって多額の裁判費用を負担することになったなどとして,司法省に1億ドルの損害賠償を求めて提訴(12日)。
・全米自動車労働組合(UAW)が12日夜のトランプ前大統領とテスラのイーロン・マスクCEOのXでの対談中に,2人が会社に対抗して組織化する権利を行使する「従業員に干渉,制限,威圧を加え」,「ストライキを含む保護される協調行動に出た従業員を解雇する考えを示唆した」として全国労働関係局(NLRB)に告発(13日)。
・トランプ前大統領がイスラエルのネタニヤフ首相と14日にガザ地区での停戦と人質解放について協議したとのニュースサイト「アクシオス」の報道について,ネタニヤフ首相が「昨日はトランプ氏と話をしていない」とする声明を発表(15日)。
・ハリス副大統領が大統領選に向けて経済政策案を公表,中産階級や低所得層を対象とする減税計画,食料品の便乗値上げ規制,医療や子育て費用の軽減,子供対象の税額控除,住宅建設の促進と持ち家取得の支援など,トランプ氏の経済政策に対しては,関税引き上げ政策は物価上昇をもたらし「中産階級に壊滅的打撃を与え,労働者を罰し,米国民の生活費を上昇させる」と批判(16日)。ハリス副大統領がアフガニスタン系米国人女性で法律家のバラクザイ氏をイスラム教徒やアラブ系米国人社会,ガザ地区紛争などを担当する顧問に任命,同氏は2021年からハリス事務所に政治顧問として勤務,NBCニュース報道(17日)。
・ニューヨーク・タイムズ紙の大統領選についての世論調査で,激戦州のアリゾナ州でハリス氏支持が50%,トランプ氏が45%,ノースカロライナ州でハリス氏49%,トランプ氏47%,ネバダ州でハリス氏47%,とらんぷし49%,ジョージア州でハリス氏46%,トランプ氏50%(17日)。
・トランプ前大統領がペンシルベニア州での演説で2020年の大統領選挙は不正によって負けたと虚偽の主張を繰り返し,気候変動の脅威を否定,外国製品への関税率アップは消費者の負担にならないなど,いずれも客観的根拠を示さずに主張,ハリス氏については「彼女の笑い声を聞いたことがあるか。あれは狂人の笑いだ」などと誹謗中傷,ハリス氏は同州のイベントで「相手をどれだけ尊重するかが指導者の強さにおける真の指標だということだ。他人をたたく人は誰でも臆病者だ」とコメント(18日)。
・ワシントン・ポスト紙が大統領選についてのABCテレビやイプソスとの共同世論調査(8月9〜13日に有権者1975人対象に実施)の結果を報道,民主党のハリス候補と共和党のトランプ候補の一騎打ちになった場合,ハリス氏支持が49%,トランプ氏支持が45%,ケネディ・ジュニア氏を選択肢に加えた調査でハリス氏が47%,トランプ氏が44%,ケネディ氏が5%,バイデン氏が撤退表明する前の7月上旬の調査ではトランプ氏43%,バイデン氏42%,ケネディ氏9%(18日)。
・イリノイ州シカゴで民主党全国大会開幕(現地19日夜),バイデン大統領がハリス副大統領を次期大統領としてふさわしいと賞賛する演説,同時にガザ地区のパレスチナ人死者への同情を示す,ヒラリー・クリントン元国務長官もハリス氏への強い支持を呼びかけ(20日)。
・トランプ前大統領が歌手のテイラー・スウィフト氏とそのファンが自分を支持しているように見せる偽の画像をSNS上に投稿(20日)。
・共和党保守派のルッティグ連邦控訴裁判所元判事がトランプ前大統領と共和党は「米国の民主主義に対する戦争」を仕掛けたと糾弾し,大統領選でのハリス副大統領への支持を表明(20日)。
・民主党全国大会の2日目(現地20日)でハリス副大統領を大統領候補として正式指名,オバマ元大統領夫妻やハリス副大統領の夫のエムホフ氏らが演説し,ハリス候補への強い支持と団結を呼びかけ,トランプ氏の大統領としての資質を批判,オバマ氏は「Yes, She can!」と呼びかけ会場が呼応(21日)。
・民主党全国大会3日目(現地21日),ウォルズ副大統領候補が指名受諾演説,中間層への減税や住宅価格の引き下げなどハリス氏が大統領に就任した場合の政策の概要を提示(22日)。
・民主党全国大会最終日(現地22日),ハリス副大統領が大統領候補指名の受諾演説,「すべての米国民のための大統領になる」ことを約束し,人々を先導すると同時にその声に耳を傾ける意向を表明。
トランプ氏の主張に対抗する政策について,トランプ氏は中間層に無関心だとし「トランプ氏の増税の代わりに、1億人以上の国民に恩恵をもたらす中間層向けの減税法案を可決する」と述べ,同氏が計画する関税は価格を押し上げる作用があるとも批判,人工妊娠中絶の権利擁護や住宅供給の拡大,食品価格の「つり上げ」禁止に取り組むと強調,
トランプ氏が「再び大統領に就任すればきわめて深刻な影響を及ぼす」と警告し,連邦最高裁が同氏の刑事訴追の一部免責を認めたことに触れ,大統領として同氏が手にすることになる権力の大きさを考えるよう聴衆に訴え。
イスラエルとハマスの紛争について,「私はイスラエルの自衛権を常に支持し、イスラエルが自衛力を持ち続けることを常に保証する」と述べつつ,「イスラエルの安全確保と人質解放に向けて,ガザの苦しみを終わらせ、パレスチナ人の尊厳,安全,自由,自己決定権の実現に向けて,この戦争を終わらせるべく取り組んでいる」と主張(23日)。
・民主党全国大会会場の近くでガザ地区への攻撃を続けるイスラエルに対する支援を続けるバイデン政権に対する数千人規模の抗議行動,ハリス氏にイスラエルへの支援を停止するよう要求(23日)。
・R.ケネディ・ジュニア氏が大統領選からの撤退とトランプ前大統領の支持を表明(23日)。
・ロイター/イプソスの世論調査(8月23〜25日に全米の成人1028人対象)でトランプ氏の経済と雇用に関するアプローチを支持する有権者が43%,ハリス氏支持が40%,7月調査の11ポイント差からから4ポイント差に縮小,犯罪や汚職への対応について両者は40%で同率,7月調査ではトランプ氏が5ポイントリード,過激主義への対応についてハリス支持が42%,トランプ支持は36%(27日)。
・2001年以降の共和党政権を支えた元高官ら約240人がトランプ候補ではなく民主党のハリス候補を支援すると発表,連名の書簡でトランプ氏が大統領になれば「ロシアのプーチン大統領のような独裁者に媚び、同盟に背を向けるだろう」と批判し,復権を「実現させてはならない」と強調(27日)。
・トランプ前政権期のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)がCNNのインタビューで2021年の米軍のアフガニスタン撤退時の混乱について,トランプ氏にも責任の一端があると批判,2017年時点でトランプ氏は米軍のアフガニスタン駐留継続を決定していたが,その後に考えてを変えタリバンと米軍撤退で合意するなど政策の曲折が要因(27日)。
・ロイター/イプソスの大統領選に関する世論調査(8月21日〜28日に全米の登録有権者3562人含む成人4253人対象に実施)で,ハリス候補支持が45%,トランプ候補支持が41%,両者の差は7月下旬より1ポイント拡大,女性とヒスパニックの支持率はハリス候補49%,トランプ候補36%,7月調査より差が拡大,ウィスコンシン,ペンシルベニア,ジョージア,アリゾナ,ノースカロライナ,ミシガン,ネバダの接戦7州での支持率はトランプ候補45%,ハリス候補43%(29日)。
・ハリス大統領候補とウォルズ副大統領候補がジョージア州でのCNNの単独インタビューに出席,ハリス候補は多様な視点が国民の利益になるとして,共和党員を閣僚に起用する考えを表明(29日)。
・トランプ候補の陣営がバイデン政権のクリーンエネルギー規制の多くの撤廃,電力需要増加に対応するため発電所建設の認可の加速,原子力規制委員会の「近代化」や原発の新設と既存原発の寿命延長の認可の迅速化の方針を発表(29日)。
・フロリダ州の妊娠6週間以降の中絶を禁止する人工妊娠中絶規制法に対して,胎児が母体外で生存可能になる時期(妊娠23〜24週目)まで中絶の権利を保護する修正案にトランプ前大統領が反対票を投じる意向を示したことに対して,ハリス副大統領が同州の中絶規制法は多くの女性が妊娠していることすら知らないうちに適用されるもので,フロリダ州の女性は「救急診療室から追い返され,命に関わる状況に直面して必要な治療を受けるため何百キロも移動することを強いられている。トランプ氏はこれを『美しいこと』だと考えている」と厳しく非難(31日)。
9月
・ロイター/イプソスの大統領選に関する世論調査(8月21〜28日にヒスパニック系登録有権者412人含む全米の成人4253人対象に実施)で,ハリス候補支持が45%,トランプ候補支持が41%,両者の差は7月調査の1ポイントから4ポイントに拡大,女性とヒスパニックの有権者の支持率はハリス候補が49%,トランプ候補が36%(3日)。
・CNNとSSRSの大統領選についての最新の世論調査での支持率がハリス候補ートランプ候補の順に,ウィスコンシン州で50%ー44%,ミシガン州で48%ー43%,アリゾナ州で44%ー49%,ジョージア州とネバダ州で48%ー47%,ペンシルベニア州でー47%47%,6州の有権者の平均15%がだれに投票するか未定と回答(4日)。
・ニューヨーク州地裁がトランプ前大統領の不倫口止め料の不正会計処理を巡る量刑の言い渡しを9月18日から大統領選挙後の11月26日に延期すると発表。(AP)(R)
・フォード・モーター,ペプシコ,21世紀フォックスの元CEO,NBAの元選手マジック・ジョンソン氏,アップルのスティーブ・ジョブズ氏の妻など大手企業幹部と著名人90人以上が大統領選でのハリス候補支持を表明(6日)。
・ブッシュ共和党政権時の副大統領ディック・チェイニー氏と娘のリズ・チェイニー元下院議員がハリス候補の支持を表明(6日)。
・米軍の退役高官10人が大統領選のハリス候補が軍の最高司令官にふさわしい唯一の候補であり,トランプ候補は大統領在任中にアフガニスタンからの米軍撤退前にタリバンとの交渉で5000人の戦闘員が戦場に復帰することを認めるなど「混乱したアプローチ」があったとし「国家安全保障と民主主義上の危険だ」と批判してハリス候補支持の書簡を公表(9日)。
・国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が9日に共和党のバンス副大統領候補が「ハイチ移民が猫などのペットを盗んで食べている」という虚偽の主張をXに投稿したことについて,「我々が深く懸念しているのは,共和党の選出議員らが嘘や人種に基づいて人々を分断しようと新たな陰謀論を展開していることだ」と強く非難,バンス氏と同様の主張をクルーズ共和党上院議員やイーロン・マスク氏ら共和党保守派やその支持者がSNSに投稿(10日)。
【大統領選挙候補者の討論会】
・ペンシルベニア州フィラデルフィアで大統領選挙のハリス民主党候補とトランプ共和党候補の討論会開催,ABCテレビのキャスター2人の質問に両候補が答える形で,経済,人工妊娠中絶,移民,議会襲撃事件,ガザ地区とウクライナの戦争などについて議論,討論終了後のCNNの世論調査(視聴していた登録有権者605人対象)で,ハリス候補の勝利が63%,トランプ候補の勝利が37%(現地10日夜)
<経済>
ハリス:「機会の経済」を創出,住宅取得の促進,諸規模事業の支援など。
トランプ:輸入関税の強化。
<人工妊娠中絶>
トランプ:中絶の可否の決定権を各州に戻す,レイプや近親相姦による妊娠は例外とする,州によっては出生後の赤子の「処刑」を認めていると主張,司会者はそのような州はないと否定。
ハリス:長年にわたって中絶の権利を保証していた最高裁判決を覆したのはトランプ氏が最高裁に送り込んだ保守派判事,その結果いくつかの州でレイプや近親相姦でも例外を認めない中絶禁止法が可決された,法律違反を危惧する病院で中絶手術を受けられないために女性の生命に危険が生じている。
<移民>
ハリス:密入国者を起訴してきたのは検察官時代の私だ,トランプ氏は超党派の国境警備強化法案を移民問題を自分が利用するために議員たちに「つぶせ」と指示した。
トランプ:オハイオ州スプリングフィールドで移民たちが犬や猫など住民のペットの動物を誘拐し食べていると移民犯罪を主張,司会者は同氏の当局者はそうした証拠はないと指摘。
ハリス:トランプ氏の移民犯罪の主張に対して,トランプ氏の犯罪歴を例示し,性的暴行の賠償責任,選挙妨害での起訴,重罪34件で有罪評決を受けている人の主張は「非常に含蓄がある」と皮肉。
トランプ:バイデン政権が司法制度を利用して私を攻撃していると主張。
<連邦議会議事堂襲撃>
トランプ:ホワイトハウスでの演説で支持者に議事堂まで「平和的・愛国的に行進するよう」指示,暴力を呼びかけていないと主張し,2020年大統領選で勝利していた「証拠はたくさんある」と根拠を示さず主張。
ハリス:「あの日,合衆国大統領は暴徒を扇動し,連邦議会議事堂を攻撃させ,冒?させた」,「まさにそれを理由に,前大統領は起訴され,弾劾された」。選挙結果を否定し続けるトランプ氏にはホワイトハウスに戻る資質はない,「ドナルド・トランプは8100万人からクビにされた」のだと,トランプ氏がかつて名声を得たリアリティー番組での決めぜりふをもじって批判。
<ガザとウクライナ>
ハリス:イスラエルには自国を防衛する権利があるが,どう防衛するかが重要だ。「この戦争は終わらなければならない,直ちに終わらなければならない」と強調し,停戦と,最終的には「ガザ再建」のための「2国家解決」を求めると言明。
トランプ:自分がまだ大統領だったら,この紛争は「始まりさえしなかった」と主張,ハリス氏は「イスラエルが大嫌いだ。もし彼女が大統領になれば,2年後にはイスラエルは存在しなくなっているだろう」と主張。
<総括発言>
ハリス:自分とトランプ候補はそれぞれアメリカに対する二つの「まったく異なる」ビジョンを抱いている。自分は未来に焦点を当て,トランプ候補は過去に焦点を当てていると主張し,「私たちは後戻りしない」,「私たちは新しい道を切り開くことができる」と強調。
トランプ:ハリス候補の政策には何の意味もない,すでに4年近く政権にいながら,そのすべてを達成していないからだと主張。11月の選挙で「この国史上最悪の副大統領」のハリス候補が勝利すれば,第3次世界大戦が起こる恐れがあると(根拠を示さず)主張。
【討論終了後の反応】。トランプ陣営はハリス氏の挑発的な発言に反応しないようトランプ氏に警告していたが,トランプ氏はハリス氏に何度も噛みついてしまったと落胆。一方で司会者がトランプ氏の発言について事実確認したのに対して,ハリス氏についてはしておらず,公平性を欠いていると批判。
トランプ氏の支持者の一人は彼の最悪の振る舞いが露呈した」と落胆。
歌手のテイラースウィフト氏がSNSで「彼女は権利と大義のために戦ってくれる。それらを擁護する戦士が必要だと確信している。彼女は安定感のある、優れたリーダーだと思う。混沌ではなく冷静さによって導かれるなら,私たちはこの国でもっと多くのことを成し遂げられると信じる」とハリス候補への支持を表明,さらに自分は自分なりに調べた後で支持を選択したと強調し,投稿を見ている人々にも自分で調べた上で支持する候補を選ぶよう呼びかけ。猫を抱いた自身の写真と末尾に「Taylor Swift/Childless Cat Lady(子無し猫好き女)の署名付き(言うまでもなく,共和党のバンス副大統領候補が2021年にFOXテレビのインタビューで,ハリス副大統領ら出産経験のない女性を「子無し猫好き女」と呼び,「自らの選択で子のない惨めな人生を送る人間が米国も惨めにしようとしている」と侮辱的な発言をしたことへの皮肉)。
・ロイター/イプソスの大統領選に関する世論調査(登録有権者1405人含む成人1690人対象)でハリス候補支持が47%,トランプ候補支持が42%,8月下旬の調査ではハリス候補45%,トランプ候補41%,10日の討論会でハリス氏勝利が53%,トランプ氏勝利が24%(12日)。
・トランプ前大統領が大統領選の第3回討論会(ハリス氏とは第2回)は行なわれないとSNSに投稿,10日の討論会で大勝したとの理由(12日)。
・ハイチ政府がトランプ前大統領,バンス上院議員(副大統領候補)など共和党議員,イーロン・マスク氏などがオハイオ州スプリングフィールドでハイチ移民が犬や猫などの住民のペットを盗んで食べているという虚偽の主張を広めているとして「差別的な発言」と強く非難(12日)。
・オハイオ州スプリングフィールド市当局が市内の複数の施設に対して爆破予告があったため市庁舎から退避させたと発表(12日)。
・全米黒人地位向上協会(NAACP)の大統領選に関する世論調査(8月6〜12日に黒人の登録有権者1000人対象に実施)で,ハリス候補支持が63%,トランプ候補支持が13%,50歳以下の黒人男性ではハリス支持が49%,トランプ支持が26%,50歳以上ではハリス支持が77%,黒人女性ではハリス支持が67%,トランプ支持が8%(13日)。
・トランプ前大統領がカリフォルニア州での演説でオハイオ州スプリングフィールドで移民の「大規模な強制送還を実施する」と主張,スプリングフィールドにはハイチ系の移民約1万5000人が居住,大半は合法的な移民,バイデン大統領はトランプ氏の主張は「まったく間違っている」とし,ハイチ系住民のコミュニティへの攻撃をやめるよう非難(13日)。
・フロリダ州ウェストパームビーチのゴルフ場でプレー中のトランプ氏から370〜460mの場所で,シークレット・サービスが自動小銃(AK47)を持った人物を目撃し発砲,容疑者は逃走後に逮捕,FBIはトランプ氏を暗殺する意図があったと発表(15日)。
・トランプ前大統領がゴルフ場での自身の暗殺未遂事件について,容疑者はハリス副大統領の「言葉を信じ行動した」とFOXニュースの番組で主張(16日)。
・税関・国境警備局が8月にメキシコから不法越境容疑で摘発したのは約5万8000人,昨年同月比7割近く減少と発表,バイデン大統領が今年6月に国境管理強化の大統領令を発令したことで不法越境の効果的な抑止が可能になったと説明,トランプ前大統領のバイデン政権下で不法越境者が増加したとの批判の根拠がより薄弱に(16日)。
・民主党のハリス大統領候補がミシガン州で「ユナイト・フォー・アメリカ」と題する集会を開催,著名な司会者のウィンフリー氏の質問に答える形式で人工妊娠中絶,経済,移民,銃規制などについて説明,映画界のスターたち,ジェニファー・ロペス氏,メリル・ストリープ氏,ジュリア・ロバーツ氏,クリス・ロック氏,ベン・スティラー氏などもリモートで参加(19日)。
・共和党のトランプ大統領候補がワシントンDCで開催されたユダヤ系米国人団体「イスラエル・アメリカン・カウンシル」の会合での演説で,「もし私が大統領選に勝たなければ,ユダヤ系の人々は本当に多くの責任を負うことになるだろう。ユダヤ系有権者の60%が対立候補に投票することになれば,イスラエルは2年以内に消滅するだろう」と主張(19日)。
・オハイオ州のデワイン知事(共和党)が20日付NYタイムズ紙電子版への寄稿で,同州スプリングフィールドでハイチ移民がペットの犬や猫を盗んで食べているとのトランプ大統領候補やバンス副大統領候補の発言に対して,「根拠のない主張を繰り返し,合法的に生活する移民を蔑視するのは悲しい」と批判,衰退した市の経済が最近盛り返した要因の一つは過去3年間にハイチからの移民が仕事に就いてくれたことだと説明(20日)。
・NBCニュースの大統領選に関する世論調査(9月13〜17日に登録有権者1000人を対象に実施)でハリス民主党候補支持が48%(7月の調査では38%),トランプ共和党候補支持は40%(同38%),CBCニュースの世論調査(9月18〜20日に登録有権者3129人を対象に実施)ではハリス支持が52%,トランプ支持が48%,8月の調査では両者50%(22日)。
・ロイター/イプソスの大統領選に関する世論調査(21〜23日に登録有権者871人含む全米の成人1029人対象に実施)でハリス候補支持が47%,トランプ候補支持が40%,10日前の調査では両者の差は5ポイント,「経済・失業・雇用」に関するアプローチについて,どちらの候補者が優れているかという質問に対してはハリス候補41%,トランプ候補43%,7月下旬時点での差は11ポイント,8月時点では3ポイント(24日)。
・トランプ前大統領がジョージア州での演説で,大統領選に勝利すれば米国へ製造拠点を移転する外国企業の法人税の低率化,規制緩和,研究開発費に対する減税など,韓国やドイツ,中国から米国への移転を促し「雇用を奪う」政策を実行すると主張,メキシコから輸入する自動車に100%の関税を課すとも主張(24日)。
・米国のイスラム教徒権利擁護団体「Emgage Action」が大統領選挙でハリス候補を支持すると発表,トランプ候補が再選されればイスラム教徒が多数を占める国から米国への入国を制限する渡航禁止令を復活させると表明しているため,ムスリム・コミュニティーに大きな危険をもたらすという認識から復権を阻止する必要があると強調(25日)。
・ハリス副大統領がペンシルベニア州での集会で,大統領選に勝利した場合,製造業の既存工場の設備更新への税控除を通じて良質な雇用を拡大し,新たの成長分野のバイオ製造,航空宇宙,人工知能,クリーンエネルギーなどへの新たな投資を行なうと演説(25日)。
・CNNが調査会社SSRSに委託した大統領選に関する世論調査(9月19〜22日に登録有権者2074人対象に実施)で35歳未満の有権者のハリス候補支持が52%,トランプ候補支持が40%,うち女性の支持は53%対39%(26日)。
・トランプ前大統領がウィスコンシン州での選挙集会での演説で不法移民問題について,前日にハリス副大統領がメキシコ国境を訪れて亡命申請と不法移民の取り締まり強化を表明したことを罵倒し,「ジョー・バイデンは精神的に障害を負った。カマラは生まれつきそうだった。我が国にこんなことが起こるのを許すのは精神障害者だけだ」と主張,FBIの調査報告では不法移民数は急減し移民による殺人事件などの犯罪は減少(28日)。
・ニューヨーク・タイムズ紙が社説で民主党のハリス大統領候補を支持すると表明,トランプ氏を知性,勇気,品格をはじめ「あらゆる面で大統領に不適格」とし,恣意的な人事やイラン核合意からの離脱などが大きな禍根を残したと批判。トランプ氏の返り咲きは「前回の任期よりも大きな被害と分断をもたらす」と警鐘を鳴らし「ハリス氏への投票が唯一の愛国的選択だ」と強調,ハリス氏の住宅所有への補助や中小企業、労働者重視の経済政策に賛意(30日)。
10月
・ニューヨークでCBSニュース主催の大統領選の副大統領候補の民主党のウォルズ氏と共和党のバンス氏のテレビ討論開催,中東危機,移民,人工妊娠中絶,経済などの論点で討論,2020年大統領選の結果についての質問にウォルズ氏は21年1月の議事堂襲撃事件はトランプ氏の投票に不正があったという虚偽の主張が支持者を扇動して発生したと非難,バンス氏は質問に答えず。ロイターのファクトチェックではウォルズ氏の主張はほぼ正確,バンス氏の大統領在任中に大きな紛争を起こさなかったのはトランプ大統領だけとの主張について,オバマ大統領期も当てはまり,トランプ氏は国連演説で北朝鮮を「完全に破壊する」と主張,シリア内戦への事実上の介入,イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害指示など,軍事的敵対行為や新たな戦争のリスクをともなう行動をとったなど,虚偽に近い複数発言(2日)。
・トランプ前大統領が2020年の大統領選の結果を覆そうとした疑惑についてスミス特別検察官が連邦検察に提出していた資料を連邦判事が開封,21年1月の連邦議会議事堂襲撃事件の当日のトランプ氏の電話使用についてのFBIが把握した証拠や大陪審とFBIの捜査で得られた有力証言など多数の未公開の証拠を含む。検察はトランプ氏の行動は大統領の行動としてでなく,政治家としての行動で「その核心において、被告の計画は私的なものだった」ため大統領の免責特権に基づく保護の対象とならないと主張(2日)。
・バイデン大統領がイランがイスラエルをミサイルで攻撃したことに対するイスラエル軍の対応について,2日にイランの核施設への攻撃を支持するかとの記者さんの質問に対して「答えはノーだ」と回答したことに対いて,トランプ前大統領がノースカロライナ州での対話集会で「あの質問をされた時は,まず核を攻撃し,残りの心配は後ですると答えるべきだった」と主張(4日)。
・ニューヨーク・タイムス紙の大統領選に関する世論調査(9月29日〜10月6日に実施)で民主党のハリス候補の支持率が49%,共和党のトランプ候補が46%(8日)。
・トランプ前大統領がフロリダ州の集会でユダヤ系米国人に向けて,自分が再選されたら「皆さんの社会と学校,礼拝施設,価値観を守る。イスラム過激派への同調者とユダヤ人嫌いを排除する」と主張(8日)。
・トランプ前大統領がデトロイトでの演説で自動車ローンの利子を税控除の対象とし,米国での中国自動車メーカーによる自動車販売を禁止し,中国の自動車メーカーがメキシコで製造し米国に輸出するのを阻止するために新たな関税を課すと主張(10日)。
・FOXニュースがトランプ前大統領にハリス民主党候補との大統領選の討論会を24日または27日に開催を打診したことに対して,トランプ氏はSNSに「再試合はない」と拒否の投稿(10日)。
・ペンシルベニア州ピッツバーグ大学で開催の民主党の選挙集会でオバマ元大統領が演説,今回の大統領選は政策だけではなく価値観も問われているとし,トランプ候補は自分のエゴと金と地位」のことしか考えていない利己的な政治家だと非難し,ハリス候補への投票を呼びかけ(10日)。
・トランプ前大統領がフロリダ州の集会でユダヤ系米国人に向けて,自分が再選されたら「皆さんの社会と学校,礼拝施設,価値観を守る。イスラム過激派への同調者とユダヤ人嫌いを排除する」と主張(8日)。
・トランプ前大統領がデトロイトでの演説で自動車ローンの利子を税控除の対象とし,米国での中国自動車メーカーによる自動車販売を禁止し,中国の自動車メーカーがメキシコで製造し米国に輸出するのを阻止するために新たな関税を課すと主張(10日)。
・FOXニュースがトランプ前大統領にハリス民主党候補との大統領選の討論会を24日または27日に開催を打診したことに対して,トランプ氏はSNSに「再試合はない」と拒否の投稿(10日)。
・トランプ前大統領がコロラド州オーロラでの選挙集会で米国が外国人犯罪者の大群に「占領されつつある」と根拠なく主張し,民主党のハリス候補が大統領選に勝利すれば「2億人が流入しこの国は終わる」と警告,事実は紡織犯罪はトランプ政権期に急増しバイデン政権下では毎年減少,移民による犯罪率は米国人によるものより低水準(12日)。
・ハリス副大統領がSNSでガザ地区北部への食糧支援が2週間近く泊まっているとの国連の報告を引用し,「イスラエルは直ちに支援物資が輸送できるよう対応しなければならない…市民は保護され,食料・水・医薬品を手に入れることができなければならない。国際人道法を尊重しなければならない」と強調(14日)。
・ロイター/イプソスの大統領選に関する世論調査(10月11〜13日に登録有権者807人含む成人938人を対象に実施)で民主党のハリス候補の支持率が45%,トランプ候補は42%,経済政策についてはトランプ候補支持が45%,ハリス候補は40%,民主主義に対する脅威への対応についてはハリス候補支持が43%,トランプ候補は38%(15日)。
・民主党のハリス大統領候補がペンシルベニア州フィラデルフィアでの選挙集会で,トランプ前大統領が2020年大統領選挙での敗北を覆そうとしたことは合衆国憲法違反で「国民の意思と自由で公正な選挙結果を受け入れることを拒否した」とし,機会があれば再び同様の行動をとるだろうと指摘し,共和党有権者に対して支持を呼びかけ(16日)。
・共和党のバンス副大統領候補がペンシルベニア州でのイベントで2020年の大統領選挙結果についての記者団の質問に,トランプ氏は敗北していないと言明(16日)。
・トランプ前大統領がジョージア州アトランタでの選挙集会で,民主党のハリス候補に投票する中南米系およびアフリカ系の米国人は「頭を検査」してもらった方がいいと主張(16日)。
・ハリス候補がFOXニュースのインタビューで,南部国境での不法移民急増へのバイデン政権の対応についての質問に,トランプ前大統領が共和党議員に超党派の移民法案を拒否するよう要求し法案が可決できなかったと指摘(16日)。
・イエレン財務長官がニューヨークの外交問題評議会での講演で,大統領選のトランプ共和党候補が提案している高水準の関税による合衆国経済の「囲い込み」は消費者物価を上昇させ,企業の競争力低下につながる「大きな誤り」と指摘,米国は自国の経済と国家安全保障上の利益を推進するために過去のような一国主義の行動に戻ることはできない,「中国との貿易や投資は米国の企業や労働者に大きな利益をもたらす可能性があり,維持されなければならない」とした上で,「公平な競争条件に基づく健全な経済関係を築く必要がある」と言明(17日)。
・トランプ前大統領がウクライナのゼレンスキー大統領はロシアがウクライナとの戦争を引き起こす手助けをした責任があると主張(17日)。
・ニューヨーク州連邦地裁のチュトカン判事がトランプ前大統領が2020年大東慮戦の結果を覆そうとした事件をめぐって,スミス特別検察官が提出した文書の公開をの11月の大統領選の後に延期するようを求めたトラン氏側の提訴を却下,判事は政治的影響のみを理由に国民がアクセス権を有する情報の公開を差し控えるのはそれ自体が選挙介入になりかねないとの見解を表明(18日)。
・イーロン・マスク氏がペンシルベニア州で11月5日の大統領選挙投票日まで抽選で毎日1人の登録有権者に100万ドルを贈ると発表,マスク氏が設立したトランプ前大統領の政権復帰を活動目的とする政治活動委員会の憲法の言論の自由と銃所持の権利を支持する請願書に署名した人を対象,19日夜に「当選者」に100万ドルの小切手を贈与,「有権者登録や投票のために,金銭の支払いや支払いの申し出をしたり,支払いを受けたりする」者について罰金1万ドルまたは禁錮5年の刑に処すとする連邦法違反の疑い(19日)。
・トランプ前大統領がノースカロライナ州のハリケーン「ヘリーン」の被災地を視察し,連邦緊急事態管理局(FEMA)の予算が「不法移民のために使われた」と虚偽の主張,ハリス副大統領が虚偽の主張を繰り返していると非難(21日)。
・ロイター/イプソスの大統領選に関する世論調査(10月16〜21日に実施)で民主党のハリス候補支持が45%,共和党のトランプ候補支持は42%,経済問題での支持はトランプ候補が46%,ハリス候補が38%,や移民問題ではトランプ候補が48%,ハリス候補が35%,政治的過激主義や民主主義に対する脅威への対応ではハリス候補が42%,トランプ候補が35%(22日)。
・マイクロソフト社の創業者ゲイツ氏がハリス民主党候補の支援団体に5000万ドルの寄付とニューヨーク・タイムズ紙が報道,ゲイツ氏は「米国や世界中の医療の改善や貧困の削減、気候変動対策に明確な意思を示す候補を支援する」との声明を同紙に発表(22日)。
・トランプ大統領の首席補佐官だったケリー氏がニューヨーク・タイムズ紙のインタビュー(22日掲載)で,トランプ氏は「ファシストの一般的な定義に当てはまる」とし,「ヒトラーはいくつかの良いことをした」と繰り返し示唆していたと発言,ハリス副大統領は「トランプ氏が600万人のユダヤ人と数十万人の米国人の死の責任を負っているヒトラーを引き合いに出すことは非常に憂慮すべきで,きわめて危険なことだ」と非難し,「大統領執務室や作戦司令室でトランプ氏と肩を並べて働いていた,トランプ氏をもっともよく知る人々から見たトランプ氏の真の姿だ」と指摘(23日)。
・大統領選のトランプ共和党候補がニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで支援者集会を開催,登壇したコメディアンのヒンチクリフ氏が「海のど真ん中に文字通り浮かぶゴミの島がある。プエルトリコって言うんだと思う」と発言,ニューヨークの元市長のジュリアーニ氏はハリス副大統領はガザ地区での戦争で「テロリストの味方をしている」と主張,トランプ陣営のミラー顧問はアメリカ人の仕事が「略奪され盗まれ」外国に送られていると主張,集会後にトランプ陣営の広報担当者はヒンチクリフ氏の発言はトランプ候補や陣営の「見方を反映するものではない」との声明を発表(27日)。
・ペンシルベニア州フィラデルフィアでの大統領選の民主党選挙集会でオバマ元大統領が前日の共和党のトランプ候補の選挙集会で「この上なく人種差別的,性差別的で偏見に満ちたステレオタイプ」の発言が飛び交っていたと批判し,コメディアンのプエルトリコを「海の真ん中に浮かぶゴミの島」との発言を例に挙げて,「彼が言っているのは皆さんの隣人,友人,同僚のことだ」,「この人たちは米国人だ」と訴え,「ここで見られたような分断と憎悪の政治を拒否するべきだ」と強調(28日)。
・ワシントン・ポスト紙(Amazon創業者のベゾス氏所有)が25日に大統領選で特定候補を支持しない意向を表明したことに対して,28日までに20万人以上が同紙のデジタル購読を解約,同紙の紙媒体を含めた有料購読者数250万人の約8%とNPRラジオが報道,同紙スタッフの組合は「カマラ・ハリスを支持する草稿はすでに用意されていた。掲載を見送るという決定はオーナーのジェフ・ベゾスによってなされた」と発表,ロサンゼルス・タイムズ紙でも今週オーナーのスンシオン氏がハリス氏支持を打ち出そうとした編集スタッフの意向を覆し,社説担当者を含む複数のスタッフが抗議の辞職,ノースイースタン大学のダン・ケネディ教授(ジャーナリズム論)は「選挙戦間近のこの時期に(ハリス氏への支持を)見送ることは、トランプ氏が再選された場合に受けるかもしれない制裁に屈しているように見える」とコメント,アメリカン大学のジェーン・ホール教授(コミュニケーション学)は「ドナルド・トランプはテレビ局のライセンス取り消しやジャーナリストに対する制裁,そしてまだ始まってもいない政権で報道の自由を攻撃することなどを口にしている」と指摘(28日)。
・ロイター/イプソスの大統領選に関する世論調査(10月25〜27日に登録有権者975人含む成人1,150人対象に実施)で民主党のハリス候補の支持率が44%,共和党のトランプ候補は43%,経済,失業,雇用対策についてトランプ候補支持が47%,ハリス候補が37%,移民問題についてトランプ候補支持が48%,ハリス候補が33%,政治的過激主義や民主主義に対する脅威への対応についてハリス候補支持が40%,トランプ候補が38%(29日)。
・大統領選のトランプ共和党候補がアリゾナ州グレンデールの選挙イベントで,自身に批判的でハリス民主党候補と遊説を行なっている共和党のリズ・チェイニー元下院議員について,「彼女は戦争好きの過激なタカ派だ。彼女にライフルを持たせてあそこに立たせ,9本の銃で銃撃してみよう」,「自分の顔に銃が向けられた時に彼女がどう思うか,見てみようじゃないか」と発言,その他にチェイニー氏を「大ばかもの」,「愚かな人間」「まぬけ」と誹謗中傷,チェイニー氏はSNSで「独裁者は抗議の声を上げる者に死の脅迫を与える。狭量で執念深く,冷酷で不安定な独裁者志望の男に我々の国や自由を委ねるわけにはいかない」と非難(31日)。
11月
・アリゾナ州の司法長官が大統領選のトランプ共和党候補が10月31日のアリゾナ州での選挙集会で共和党の反トランプ派のチェイニー元下院議員に対して「小銃の標的にして,彼女がどう感じるか見てみようじゃないか」と発言したことについて,殺害の脅迫を禁止する州法に違反した可能性があるとして捜査中と発表(1日)。
・大統領選のトランプ共和党候補がペンシルベニア州での集会で自分を取り囲む防弾ガラスに言及し「私を狙うにはフェイクニュースを撃ち抜かなければならない。そうなっても、そんなに気にしない」と発言,「フェイクニュース」とはトランプ氏が報道機関関係者を指す際に使用する言葉(3日)。
・ニューヨーク・タイムズ紙とシエナ大による世論調査(10月24日〜11月2日に激戦7週の有権者7,879人対象に実施)で,ネバダ,ノースカロライナ,ウィスコンシン各州ではハリス候補が僅差でリード,ミシガン,ジョージア,ペンシルベニア各州では両候補が拮抗,7週とも誤差3.5%の範囲内,約4割の投票済みの回答者でハリス候補が(ポイントのリード(3日)。
・大統領選,連邦議会上下両院議員選,州知事選の投開票実施,トランプ共和党候補がFOXニュースのトランプ候補が勝利したとの報道を受けて勝利宣言の演説,上院で共和党が過半数を獲得(5日)。
・ハリス副大統領が大統領選での敗北を認める演説,「これを見ている若い皆さんへ」と語りかけ,「悲しみと失意を感じるのは良いが,どうか大丈夫だと知ってほしい」,「重要なのは諦めてはならないということ。世界をより良い場所にする試みをやめてはならない」と強調し,「自由と機会、公平、すべての人の尊厳」を求める闘いを断固として続けると言明(6日)。
・大統領選の獲得選挙人数はトランプ候補295人,ハリス候補226人,未確定17人,上院議員選は共和党52議席,民主党44議席,下院議員選は共和党205議席,民主党190議席(日本時間7日午前9時時点)(6日)。
<トランプ氏の大統領選挙勝利に対するイスラエルとパレスチナの反応>
・イスラエルのネタニヤフ首相,連立政権内の極右政党,入植推進派がトランプ氏の大統領当選を祝福するコメントを発表(6日)。
・ハマスとパレスチナ自治政府がトランプ氏に対してパレスチナとイスラエルの和平を呼びかける訴え,ハマス幹部はトランプ氏が選挙運動中に大統領に就任すれば数時間で戦争を止めることができると発言していることについて,「その真偽が試される」とコメント,自治政府のアッバス議長は「我々は平和への取り組みを堅持する。米国がトランプ氏のリーダーシップの下で,パレスチナ人の正当な願望を支持すると確信している」と表明,ガザ地区南部ハンユニスの避難民はロイターのインタビューでトランプ氏が大統領1期目でエルサレムをイスラエルの首都と認めたことを指摘しトランプ氏の勝利は「パレスチナ人の歴史における新たな大惨事」とし,この先に一段の困難が待ち受けていると回答(6日)。
・格付け会社のムーディーズがトランプ氏が次期大統領に選出され,連邦議会上院で共和党が過半数を占め,下院でも共和党優勢となれば,トランプ氏の公約の財政政策の実施により財政状況はより高いリスクにさらされるとのレポートを公表(8日)。
・現地時間10日時点の大統領選結果:獲得選挙人数はトランプ候補312人,ハリス候補は226人,連邦議会選:上院:共和党52議席,民主党46議席,下院:共和党213議席,民主党205議席(10日)。
・ワシントン・ポスト紙電子版がトランプ次期大統領がロシアのプーチン大統領と電話会談し,トランプ氏が欧州には多数の米軍が駐留していると念押し,ウクライナでの戦争を拡大しないよう忠告し,「戦争の早期解決」に関して今後も協議を続ける意向を示したと報道,トランプ氏は選挙運動中にプーチン氏との関係は良好で,大統領に就任すれば「戦争を24時間で終わらせる」とたびたび主張(10日)。
・トランプ次期大統領がプーチン大統領と電話会談しウクライナでの戦争を拡大しないように忠告したとの10日のワシントン・ポスト紙の報道について,ロシア大統領府のペスコフ報道官が,電話会談が行われた事実はなく「完全に虚偽の情報」だと否定(11日)。
・バイデン大統領がトランプ次期大統領をホワイトハウスに招き会談,バイデン氏は来年1月の交代時に「スムーズな政権移行」を期待していると述べ,トランプ氏は「政治は厳しい。多くの場合、あまりよい世界ではないが,今日は素晴らしい。とても感謝している」と応じる(13日)。
・イリノイ州のブリツカー知事とコロラド州のボリス知事がトランプ次期大統領の移民の抑止や強制送還,環境保護を後退させる政策などに抵抗するために,民主党が率いる州の知事らによる連盟「民主党を守る知事たち」を結成し,両知事が共同会長を務めると発表(13日)。
・トランプ次期大統領が大統領就任後に非常事態宣言を発令して軍を国内に配備し不法移民を強制送還する意思を自身のSNS上で表明,第1次トランプ政権では約150万人の不法移民を強制送還,バイデン政権は24年2月までに110万人を強制送還,任期満了までに前政権と同水準になる見込み(18日)。
・連邦議会上院本会議で無所属のバーニー・サンダース議員が提出し少数の民主党議員が共同提案者となった米国製兵器の一部のイスラエルへの売却を停止する決議案を反対79人(共和党議員全員と民主党議員の一部),賛成18人(サンダース議員含む民主党会派)で否決(20日)。
<トランプ次期大統領が発表した新政権の高官候補の疑惑やスキャンダル>
(東京新聞11月21日付報道などに基づく)役職 候補者 疑惑・スキャンダル 司法長官 マット・ゲーツ 未成年女性の買春
薬物使用
11月21日(現地時間)に指名を辞退司法長官 パム・ボンディ 氏名を辞退したゲーツ氏に代わって11月21日)に指名
トランプ氏からの贈賄疑惑国防長官 ピート・ヘグセス 性的暴行
白人至上主義者や極右集団との関係国家情報長官 トゥルシ・ギャバード ロシア擁護発言
日米同盟に懐疑的な投稿エネルギー長官 クリス・ライト 地球温暖化問題の存在の否定 厚生長官 ロバート・ケネディJr 医学的根拠を示さずワクチン懐疑の発言 国土安全保障長官 クリスティ・ノーム 飼い犬の猟犬を嫌悪から射殺
- <トランプ次期大統領自身の疑惑>
- (1)2016年に元ポルノ女優との不倫の口止め料を弁護士費用として計上した不正会計疑惑,2023年3月30日にニューヨーク州大陪審が起訴
(2)2020年の大統領選挙でジョージア州での選挙での敗北を覆そうとして州務長官に圧力をかけた疑惑,ワシントン・ポスト紙が2021年1月3日付で報道,2023年8月14日にジョージア州大陪審が起訴
(3)2021年1月6日に,連邦議会上下両院合同会議での大統領選のバイデン候補の勝利の結果の確定を阻止するために,ホワイトハウス前での集会で支持者を扇動して議事堂を襲撃させた疑惑,2023年8月1日に連邦大陪審が起訴
(4)大統領在任中に入手した国家の機密文書を2021年1月の退任後に違法に自宅に持ち出した疑惑,2023年6月8日に特別検察官が起訴
・トランプ次期大統領が新政権の国防長官に指名したゲーツ元下院議員が指名を辞退すると発表,過去の未成年女性への買春や薬物使用疑惑により下院倫理委員会が調査中で,指名承認に必要な上院の共和党議員からの反対により,新政権の障害になるのを避けるためと説明(21日)。
・トランプ次期大統領が新政権の司法長官に指名したゲーツ前下院議員の指名辞退を受けて,パム・ボンディ前フロリダ州司法長官を指名,同氏はトランプ氏が2021年1月の連邦議会議事堂襲撃事件を扇動したとする弾劾裁判の法律顧問と弁護人,過去にトランプ氏からの贈賄疑惑(21日)。
・ニューヨーク州地裁がトランプ次期大統領が有罪評決を受けた不倫口止め事件について,大統領選の結果による影響を審理するために26日に予定していた量刑言い渡しを延期,新たな期日の設定なし,トランプ氏の政権移行チームは「でっち上げの事件が完全に止まり,トランプ氏の決定的な勝利だ」との声明を発表(22日)。
・トランプ次期大統領が2020年1月の連邦議会議事堂襲撃の扇動で起訴された件について,担当のスミス特別検察官がワシントン連邦地裁に基礎取り下げを申請,蜜文書持ち出し事件についてもトランプ氏を被告から外すようジョージア州連邦高裁に申請,現職大統領を起訴できないとする司法省の判断(25日)。
・メキシコのシェインバウム大統領が,トランプ次期大統領が25日にメキシコからのすべての輸入品に25%の関税を課すと表明したことに対する書簡を発表,「トランプ大統領。脅しも関税も米国における移民や薬物摂取の問題を解決することにはなりません」,「このような重要な課題には,協力と理解の共有こそが求められるのです」と述べ,一方が関税を課せば他方は報復に出るとし,結果的に両国と関連のある企業が危機に陥ると指摘,関税によりメキシコと米国の両方でインフレや雇用の喪失が起きると警告,北米経済の強さは両国のビジネス関係維持の上に成り立っているとし,それによって他地域を上回る競争力を身に着けることができていると説明し,「対話こそが、我が国同士の理解と平和,繁栄に到達するための最良の方法と信じます」と強調(26日)。
・トランプ次期大統領がメキシコのシェインバウム大統領が電話会談で米国に流入する移民を阻止することに同意したと自身のSNSで発表,シェインバウム大統領はトランプ氏の主張を否定し,メキシコの移民に関する現在の「包括的戦略」について説明したのだとSNSに投稿(27日)。
・バイデン大統領がトランプ次期大統領が25日に発表したメキシコとカナダが不法移民と医療用麻薬への対策が取られるまで両国からの輸入品に25%の関税を課す政策について,両国は重要な同盟国であり「関係悪化は何としても避ければならない」,米国にとって「逆効果だ」として再考を要求(28日)。
12月
・トランプ次期大統領が来年1月20日の大統領就任式までにガザ地区で拘束されている人質が解放されなければ中東および残虐行為を行なった責任者にで「深刻な結果“HELL TO PAY”」がもたらされるとSNS上で警告(2日)。
・バーニー・サンダース上院議員(無所属,民主党会派)がイスラエルはガザ地区で「戦争犯罪と民族浄化を行なっている」とSNS上で非難(2日)。
・トランプ次期大統領が日本製鉄によるUSスチール買収計画について,「税制優遇措置と関税を通じて米国の鉄鋼業を再び強く偉大なものにする。それを迅速に実行する!大統領として,私はこの取引を阻止する」とSNSに投稿,USスチールはこの計画について,ペンシルベニア州モンバレー工場への投資を確保するために日本製鉄による買収が必要だと主張し,売却が阻止されれば工場を閉鎖せざるを得ないだろうとの見解を公表済み(2日)。
・11月5日の連邦議会下院議員選挙で当選者が確定していなかったカリフォルニア州の選挙区で民主党候補が勝利,全議席435の結果は共和党220,民主党215で確定(4日)。
・トランプ次期大統領がシリア情勢について「米国は関与すべきではない。私たちの戦いではない」とSNS上で主張(7日)。
・トランプ次期大統領がNBCテレビのインタビューで,米国に不法滞在するすべての移民を強制送還することをめざす一方,幼少期に親に連れられて米国に不法入国した「ドリーマー」と呼ばれる若者を保護する措置を望んでいると述べ,不法移民の親を持ち米国で生まれた子どもに市民権を自動的に付与する制度を廃止する大統領令を就任初日に発動する計画を発表(8日)。
・イエレン財務長官がトランプ次期大統領の輸入関税政策案について,インフレ抑制の進展を妨げ,「米経済の一部セクターの競争力に悪影響を及ぼし,家計の負担を大幅に増加させる可能性」があり,「経済成長を阻害する恐れのある戦略だ」と批判(10日)。
・バイデン大統領がトランプ次期大統領の主張する富裕層や企業への新たな減税措置は「トリクルダウン経済」への回帰の可能性があると警鐘(解説:トリクルダウンは富裕層への減税が消費を増やし,経済成長を促進して雇用を創出し低所得層も収入が増えるという考え方で80年代のレーガン政権期に実施されたが,経済学的根拠は薄弱で,実際,富裕層は消費性向が相対的に低く,増加した所得の多くは金融投資に向かい,低所得層の収入増加にはつながらなかった)(10日)。
・トランプ次期大統領がタイム誌のインタビューでウクライナが米国供与のミサイル「ATACMS」でロシア領内を攻撃したことについて,何百マイルも離れたロシア領にミサイルを発射することに強く反対し,戦争をエスカレートさせるだけだと非難,て言明し、そのための「非常に良い計画」があるが,今それを明かせば「ほとんど価値のないものになってしまう」と述べる(12日)。
・トランプ次期大統領が7日にパリで行なわれたウクライナのゼレンスキー大統領とフランスのマクロン大統領との会談でウクライナのNATO加盟を支持しないと発言したとウォールストリート・ジャーナル紙報道(13日)。
・共和党のロムニー上院議員がCNNのインタビューで,「私の考えでは,リーダーを選ぶ際に最も重要なのは人格だ」と指摘し,指導者は正直で高潔であるべきで,個人ではなく国家の利益に基づいた行動を取る必要があるとトランプ次期大統領を批判(15日)。
・イスラエルのネタニヤフ首相がトランプ次期大統領と14日に電話会談を行ない,ガザ地区での「イスラエルの勝利を完全なものにする必要性」,シリアに対するイスラエルの立場,レバノンのヒズボラの再武装を阻止することなどについて「非常に温かい」話し合いだったと発表(15日)。
・ニューヨーク州地裁のマーシャ判事がトランプ次期大統領の不倫口止め料支払いをめぐる業務記録改ざんの罪で有罪評決について,大統領の免責特権を広く認める連邦最高裁の判断によって評決は無効になったとするトランプ氏側の主張に対して,業務記録改ざんという明らかに個人的行為としてトランプ氏側の主張を退ける判断(17日)。
・連邦議会の共和党下院議員が2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件の調査に関係して,連邦捜査局(FBI)が同党のリズ・チェイニー元下院議員を訴追するべきだと正式捜査を勧告する報告書を提出,トランプ次期大統領のチェイニー氏ら政敵への報復発言を受けた動き(18日)。
・連邦議会下院の共和、民主両党が合意していた来年3月14日までの政府支出を賄う「つなぎ予算」案がトランプ次期大統領の反対表明を受け白紙に(19日)。
・連邦議会上下両院で来年3月14日までのつなぎ予算案を賛成多数で可決,トランプ次期大統領とイーロン・マスク氏が主張していた債務上限の廃止や2029年までの停止の延長を盛り込み債務上限を2年間停止する予算案は19日に共和党議員の造反で否決,可決された案には債務上限の扱いは盛り込まれず,ワシントン・ポスト紙は「トランプ氏が共和党全体を意のままに動かすことへの限界を浮き彫りにした」と報道(21日)。