銀行合併の経済分析
慶應義塾大学経済学部
4年Q組 山本晋昭1999年に入り、金融機関の大型合併や業務提携が加速的に進んでいる。8月には、日本興業銀行、第一勧業銀行、富士銀行が2002年春を目途に経営統合することを発表した。10月には、住友銀行とさくら銀行が合併を発表をした。また、合併ではないが、広島銀行と福岡銀行がシステム統合を中心に広範囲な業務提携を発表した。
こうした、合併や提携の話が雨後の筍のように出ているが、冷静に効果を分析した記事を見ない。また一方で、企業組織の融合は困難を極めるといわれる。比較的融合がうまくいったと言われていた、第一勧業銀行は
1997年5月に総会屋事件で、組織や人事の二分化(旧勧業系、旧第一系)が行われていたことが明らかになった。こうして、合併当事者は合併の困難さが分かっているにも関わらず、何を目的に合併するのか、合併の目的がはっきりしない。また、合併する以外にその目的を達成する手段はないのかを検証していきたい。また、今までに合併した銀行の効果も分析していき、合併目的を明らかにしていきたい。銀行の合併だけを取り上げた理由は、筆者自身が来年の春から銀行にお世話になるからである。また、銀行自身の役割もこれから大きく変化していくことが予想される。その中で将来の自分を考える上で重要なことだと思えたからである。そして、これからも金融機関の合併統合がますます進む中で、目先の大きさに惑わされない冷静な目を養うためのかっこうの材料だと思ったからである。
さくら銀行(三井銀行と太陽神戸銀行)とあさひ銀行(埼玉銀行と協和銀行)の財務データを分析中。
Allen N Berger,
“The Consolidation of Financial Services Industry: Causes,Consequences,and Implications for the Future”, Staff Report Dec No.55 Federal Reserve Bank of New York,1998 を翻訳中。5
段階評価で3ぐらいの進捗状況かな?