授業科目名
演習
担当教員
赤林 由雄
授業科目の内容

この科目では、産業連関分析、ならびにその前提としての国民経済計算(SNA)を体系的に理解し、現実の経済を分析するための手法をみにつけることを目的としています。

また演習においては現実のデータである公表された産業連関表を用いてさまざまな分析を受講者諸君にやってもらう予定です。

産業連関分析はかなり強力なツールですが、分析のために膨大な量の計算を必要とします。ある程度型にはまった分析であれば、公表された表に付随している計数表をみることでわかることもありますが、特定の部門について詳細に分析したいときや、さまざまな仮定をおいてシミュレーションを行いたいときには、自分でそのような計算をやらなければなりません。2行2列の行列演算で足りるような仮設例としての産業連関表での分析であれば筆算や電卓でも計算できますが、いやしくも現実の経済を分析しようというのならばここでは数十から数百部門の行列での掛け算や逆行列計算が必要になります。そのためには、コンピュータを使った計算ができなければお話になりません。

これらの計算は、以前であれば、プログラミングができなければ難しかったのですが、最近ではExcelのような表計算ソフトによって(小規模の表であれば)行うことは可能です。この演習では、このMicrosoft Excelを使ってさまざまな産業連関分析の計算を行う予定です。

教科書
最初の授業の際に指示します。
参考書
授業の計画

授業は学生のレベルを考慮しつつ進行します。主な内容は次のとおりです。

  1. はじめに
  2. 国民経済計算 勘定体系の理解(1)
  3. 国民経済計算 勘定体系の理解(2)
  4. 勘定体系としての産業連関表
  5. 産業連関表の見方(1)
  6. 産業連関表の見方(2)
  7. 産業連関分析・基本モデル(1)
  8. 産業連関分析・基本モデル(2)
  9. 産業連関分析・逆行列とその種類(1)
  10. 産業連関分析・逆行列とその種類(2)
  11. 産業連関分析・基本モデルの応用(1)
  12. 産業連関分析・基本モデルの応用(2)
  13. 産業連関分析・価格モデル(1)
  14. 産業連関分析・価格モデル(2)

担当者から履修者へのコメント

上記の通りMicrosoft Excelを使って演習を行いますので、最低限、表計算ソフトMicrosoft Excelが使える(「絶対参照」と「相対参照」の違いがわかっており、関数を使った計算ができる)ことを前提として授業を行います。

またインフォメーション・テクノロジー・センターのWindows PC、keio.jpの授業支援システムを利用しますので、ITCのアカウント、keio.jpのアカウントをもっていることも必要です。

なお、秋学期のこの科目については、1回目から講義をおこないます。秋学期に履修を追加する場合でも、必ず1回目の講義に出席して受講した上で履修を追加してください。

追加的な情報がある場合には、WWWでお知らせしますので、http://web.econ.keio.ac.jp/staff/akab/をご覧ください。

成績評価方法
基本的には平常点です。ただし参加する人数が多くなった場合にはレポートを併用する可能性もあります。
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