諸君が大学において研究を進めていくにあたっては、さまざまな形の情報を処理していかなければならない。たとえばさまざまな統計からデータを引っ張ってきたり、さまざまな情報を収集・検索したり、計算をしたり、グラフを描いたり、文献の整理をしたり、大量の文章を書いたり、編集したりする必要がでてくるだろう。しかし扱うべき情報が膨大な場合、できるだけ効率よくおこなっていかなければ、時間はいくらあってもたりなくなる。手と電卓と鉛筆と定規と紙のカードだけで対処しようとしたら日が暮れてしまう。コンピュータはそのような情報処理をおこなうための強力なツールの一つである。
経済学部における経済学・統計学・数学・専門科目などの講義においてもこれらのツールを活用することが求められることは言うまでもない。
また研究の過程において、ネットワークを通じたさまざまな形での情報の受発信をしなければならない局面が発生する。ここで諸君はネットワークを介して(極端に言えば)全世界と対峙することになるわけだが、さまざまな危険から我が身を守らなければならなくなることは覚悟しなければならない。と同時に自らが無意識のうちに加害者とならないように常に心がける必要もあるのである。
経済学部の情報処理科目は、今後、諸君が経済学部で研究や情報の受発信をするために必要となるようなさまざまな情報処理の知識を修得することを目的として設置されている。
その情報処理科目において、この「情報処理I」は、Windows搭載のパーソナル・コンピュータ上での文書処理(作成・編集・加工など)・データ処理(計算・グラフの作成など)・情報の受発信(Eメール・WWWなど)の方法を講義し、演習を行う予定である。また、それと同時に、ネットワーク社会の中で自らを守り、加害者にならないための基礎知識も身につけてもらうことになる。
なお、この授業では「既習者向け」のクラスと「未修者向け」のクラスが設置される。未修者向けクラスでは、電源投入の仕方・切断の仕方、マウスやキーボードの基本的な使い方、といったところから始まる。既習者向けクラスは、そういった初心者を対象とした部分は扱わない。高校において「情報」を履修してきた学生や既にある程度の経験がある学生にとっては、そのような内容をわざわざ習う必要はないはずであるから、「既習者向け」のクラスを受講すること。逆に未修者向けクラスは高校において「情報」が必修でなかった2005年3月以前に高校を卒業した者のみ履修可能である。
講義担当者によって細部に違いはあるが、全般的な内容は次のとおりである。
この講義を受講するためには、インフォメーション・テクノロジー・センター(ITC)のアカウントが必要である。アカウントは(新入生については)学生証とともに配布されているはずである。そのアカウントの利用についての説明会もガイダンス期間中に日吉ITCによって行われるので必ず出席すること。
成績評価についても、講義担当者により若干の違いはある。が、基本的には、提出されたレポートに対する評価に基づいて行われる。