情報処理入門
〔春学期〕野寺 隆・戸瀬 信之・赤林 由雄
〔秋学期〕野寺 隆・赤林 由雄
授業の目的および内容
諸君が大学において研究を進めていくにあたっては、さまざまな形の情報を処理していかなければならない。たとえばさまざまな統計からデータを引っ張ってきたり、さまざまな情報を収集・検索したり、計算をしたり、グラフを描いたり、文献の整理をしたり、大量の文章を書いたり、編集したりする必要がでてくるだろう。しかし扱うべき情報が膨大な場合、できるだけ効率よくおこなっていかなければ、時間はいくらあってもたりなくなる。手と電卓と鉛筆と定規と紙のカードだけで対処しようとしたら日が暮れてしまう。コンピュータはそのような情報処理をおこなうための強力なツールの一つである。
経済学部における経済原論・統計学・数学・専門科目などの講義においてもこれらのツールを活用することが求められることは言うまでもない。また、研究のツールとしてだけではなく、ネットワークに接続されたコンピュータを通じて資料・講義ノートの配付や質疑が行われる科目も今後増えていくはずである。
経済学部の情報処理科目は、今後、諸君が経済学部で必要となるようなさまざまな情報処理の知識を修得することを目的として設置されている。
その情報処理科目において、この「情報処理入門」ではコンピュータを使った情報処理の第一歩として、パーソナル・コンピュータ上での文書処理(作成・編集・加工など)・データ処理(計算・グラフの作成など)・情報の受発信(Eメール・WWWなど)などを行う予定である。
ただしこの講義では、大学のマシンの基本的な使い方、すなわち、電源のスイッチはどこで、Windows95 をどうやって起動するか、キーボードでjとか*のキーはどこにあるか、市販のフロッピィを大学のマシンで使えるようにする(フォーマットする)方法などということはやらない。これらについては大学のガイダンス期間中に学生全員を対象とする講習会が行われるはずであるので、そちらを必ず受講して欲しい。この授業ではその講習会を受講したことを前提として(もしくは、その程度の知識・能力がすでにあることを前提として)講義をすすめる。
また、この講義が行われるのはあくまで大学である、ということを履修者諸君はよく覚えておいて欲しい。街のいわゆる「パソコンスクール」のようにインストラクターがマンツーマンでついて手取り足取り教えたりはしない。半期のたった12〜13回しかない講義で諸君はさまざまなことを修得しなければならないのである。もちろんソフトのすべての機能について講義の時間内に触れるわけにはいかない。そのため概略を説明して、あとは各自で授業中に紹介する参考書を読みながら自分で考え、悩み、苦しみながら大量の演習を授業時間外にこなしてもらうことになる。また、そういうプロセスを経なければまともに使えるようにはならないというのが経験の示すところである。くどいようだが、ここは大学であり、諸君は大学生である。教えてもらわなければわからないとか、習った範囲以外の演習はこなせない、というのではあまりにも情けない。示唆をうけたら自分で調べてやってみる。いろいろ自分なりに工夫してみる。諸君にはこれくらいの姿勢をもってこの授業に臨んでもらいたいものである。
講義担当者によって細部に違いはあるが、全般的な内容は次のとおりである。
- コンピュータとは
- 文書処理(作成・編集・整形・印刷など)
- ネットワークを通じた情報の受発信(電子メール・WWW・ネットワーク)
- データ処理(計算・グラフの作成など)
〔注意〕
この講義は履修タイプIIの学生諸君にとっては、「線形代数」「微分積分」との選択必修科目になっている。しかしながら、この「情報処理入門」は「線形代数」や「微分積分」の代わりになるものではない。諸君が今後、経済学の理論を学んでいくうえにおいて、「線形代数」「微分積分」は避けては通れないものである。必ずそれらを履修したうえでこの講義を履修して欲しい。数学を履修せずにこの講義のみを履修して、後々困るのは諸君である。またそのような後ろ向きの姿勢では耐えられないほどの負荷(すなわち〔担当者による差は若干あるが〕大量の時間外の演習)がかかることを覚悟したうえで履修すること。
教科書
最初の講義で指示する。
参考書
最初の講義で指示する。
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