土居 丈朗


個人基本情報
氏名:
土居 丈朗(どい たけろう)
職位:
准教授
研究室:
略歴:
1970年:奈良生まれ。93年:大阪大学経済学部卒業。95年:東京大学経済学修士、99年:東京大学経済学博士(東京大学大学院経済学研究科博士課程修了)。98〜99年:東京大学社会科学研究所助手、99〜02年:慶應義塾大学経済学部専任講師、02年〜:慶應義塾大学経済学部助教授(ただし02年8月〜04年3月は客員助教授)。02〜04年:財務省財務総合政策研究所主任研究官(任期付一般職国家公務員)。95〜98年:日本学術振興会特別研究員、98〜03、04年〜:内閣府経済社会総合研究所(旧経済企画庁経済研究所)客員研究員、01〜02年:カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員、03年〜04年:経済産業研究所コンサルティングフェロー、04年〜:放送大学客員助教授、04年〜:財務省財務総合政策研究所特別研究官、04〜05年:一橋大学客員助教授。
最終取得学位:
博士(経済学)(東京大学)
受賞学術賞:
日経・経済図書文化賞(2007年)、サントリー学芸賞(2007年)、慶應義塾・義塾賞(2007年)
所属学会:
日本経済学会、日本財政学会、公共選択学会、法と経済学会、American Economic Association、International Institute of Public Finance、Econometric Society
教育活動
担当科目(2007年度)
[通学課程]
公共政策、企業金融論、研究会
[通信教育課程]
教育方針:
担当する科目においては、経済政策を始めとする諸問題に対して、経済学の論理で考える力を養うことを目的とします。特に、最近では、経済学的に専門性が高い政策課題に直面し、高度に政治的な意思決定を伴う局面が多く、それらを理解する上でも経済学的な素養が必要となってきています。現実の経済政策について高い関心を持ち、経済学の理論を駆使してそれらを説明したいという強い意欲のある学生を歓迎します。それとともに、近代経済学の考え方を愛し、高度な理論や手法を身につけられるような指導に心がけています。
研究活動
専攻・研究領域:
経済政策論、公共選択論、財政学、公共経済学
現在の研究活動
(1)研究課題名:
政治的実行可能性を考慮した税制改革の経済分析
途中経過及び今後の計画:
近年、わが国では財政赤字が累増し、財政収支の改善が急務となっている。そうした中、私はこれまで財政再建に関する研究に取り組み、国と地方の財政関係も視野に入れて、歳出削減の可能性について分析してきた。しかし、そこで明らかになったことは、財政収支改善には、歳出削減も重要だが、財政支出の便益に見合う租税負担を求めるべく税制改革を行う必要がある、という含意だった。しかも、現在の財政状況を鑑みれば、近い将来において税制改革が行われてもおかしくない状況であり、その際の議論に資するためにも、財政学、公共経済学の見地から税制改革の客観的な分析結果を提示する必要があると考えた。特に、近年において、税制改革の経済分析が数年前の議論で留まっている傾向がある一方、家計の消費・貯蓄行動や所得格差についてはこれまでと違う傾向が観察されるとの先行研究もあり、本研究においては、こうした近年の家計の経済実態に即した税制改革の経済分析が必要であると考えた。
(2)研究課題名:
地方債改革の経済分析
途中経過及び今後の計画:
我が国の政府債務は、国のみならず地方自治体においても未曾有の規模に累増しており、このまま放置すれば自治体が破産しかねない状況にある。そこで、本研究では、地方債がこれまで地方財政において果たしてきた役割や、現行の地方債制度における問題点を経済学的に分析する。
主要業績:
『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社 2007年.
『三位一体改革 ここが問題だ』東洋経済新報社 2004年.
『地方分権改革の経済学』(編著)日本評論社 2004年.
『入門|公共経済学』日本評論社 2002年.
『財政学から見た日本経済』光文社新書 2002年.
『地方財政の政治経済学』東洋経済新報社 2000年.
『財政読本』(共著)東洋経済新報社 2000年(第5版), 2001年(第6版).
『日本政治の経済分析』(共著)木鐸社 1998年.
"Paying for the FILP," (共著) in Magnus Blomström, Jennifer Corbett, Fumio Hayashi and Anil Kashyap eds., Structural Impediments to Growth in Japan, University of Chicago Press, 2003年.
"Fiscal Reconstruction and Local Interest Groups in Japan," Journal of the Japanese and International Economies(共著)vol.16 2002年.
"Japanese Fiscal Reform: Fiscal Reconstruction and Fiscal Policy," Japan and the World Economy(共著)vol.13 2001年.
閲覧者へのメッセージ:
経済政策の意思決定について、政治的な影響をも考慮して政策の経済的効果をとらえ、理論的・実証的に分析しています。この分析から、今日先進諸国で問題となっている財政赤字の累増、財政再建の進め方や政治過程の改革について、政治的な実現可能性も考慮した政策的含意を経済学的に提示したいと考えています。特に最近では、わが国において財政政策の有効性や財政赤字の規模と政治過程(選挙制度や官僚機構)の関係が問われているため、これらに焦点を当てた研究の必要性を感じ、これらを対象とした研究に取り組んでいます。