藤原グレーヴァ香子

個人基本情報

氏名:

藤原グレーヴァ 香子(たかこ)

職位:

教授

研究室:

三田519

略歴:

最終取得学位:

Ph.D. 経営学(経済学専攻)、スタンフォード大学経営大学院

受賞学術賞:

なし

所属学会:

日本経済学会、Econometric Society, American Economic Association, Game Theory Society, Society for the Advancement of Economic Theory, 東京経済研究センター

教育活動

担当科目(2017年度)

[通学課程]

学部:ゲームの理論a、ミクロ経済学初級II、ミクロ経済学中級Ib。

大学院:ゲーム理論上級、経済数学演習。

[通信教育課程]

なし。

教育方針:

講義内容:

三田の専門科目、大学院の科目については講義ノートを毎年更新して、最新の話題を入れるようにしています。

教材:

全ての科目で、できるかぎり演習を行い、学生が自分で問題を解きながら理解できるようにしています。過去の定期試験問題と解答も公開し、学習の助けになるようにしています。

学生とのコミュニケーション:

期末に教室で質問の時間を設けたり、電子メールでの質問は随時受け付けています。(ただし添付書類は避けてもらいます。)

研究活動

専攻・研究領域:

ミクロ経済学、ゲーム理論

現在の研究活動

研究課題名:

プレイヤーが自発的に参加、継続するゲームの理論的研究

途中経過及び今後の計画:

通常のゲームの定義においてはプレイヤーとは最初から最後までそのゲームに参加するものとされている。しかし、経済学への応用などを考えると、ゲームに参加するかどうか、いつゲームからおりるか、も戦略の一部として分析されるべきである。このような状況をモデル化し、均衡の性質を研究している。参加のしかた、退出のしかたにはいろいろな形がありうるので、モデルも複数考えている。これまでに、参加は自動的だが外部オプションがときどき与えられ、戦略的に退出するというモデルの研究として"Exit Option can Make Cooperation Easier" manuscript, Keio University and Osaka University, 2017などをまとめた。また、他のプレイヤーとランダムに出会って、その人とプレイするかどうかを毎期決めていくモデルの研究として、"Voluntarily Separable Repeated Prisoner's Dilemma" (joint with M. Okuno-Fujiwara), Review of Economic Studies, 2009、"Voluntarily Separable Repeated Prisoner's Dilemma with Reference Letters" (joint with M. Okuno-Fujiwara and N. Suzuki),Games and Economic Behavior, 2012 、"Efficiency may Improve when Defectors Exist" (joint with M. Okuno-Fujiwara and N. Suzuki),Economic Theory, 2015 . などをまとめた。

研究課題名:

ゲーム理論による評判の研究

途中経過及び今後の計画:
評判は実体のないものでありながら、企業や個人の行動を支配し、経済的な効果を持っている。本研究では、ゲーム理論の観点から、評判、すなわちある経済主体の行動についての他者の予測、の形成と変化のメカニズムを分析する。ゲーム理論における評判の研究のほとんどは、プレイヤーが最初から最後まで参加するという前提の繰り返しゲームの枠組みで行われているが、本研究では私が長年取り組んできた自発的に継続するゲームを用い、理論的にも新しい枠組みを提供する。これまでに “Dynamic Noncooperative Group Formation with Size Advantage and Group Reputation” SSRN 2273644, 2013をまとめた。

主要業績:

単著論文

グレーヴァ香子(2008)『自発的繰り返し囚人のジレンマにおける確率的受け入れと漸次協力の効果について』三田学会雑誌 101(3):69-93。

グレーヴァ香子(2000)『自発的にのみ形成されるパートナーシップ間で情報伝達がない場合の効率性について』三田学会雑誌 93(3):3-9。

グレーヴァ香子(1998)『外部オファーのある繰り返しゲームについて:ナッシュ切り替え戦略による均衡利得の特徴付け』三田学会雑誌 91(1):86-96。

グレーヴァ香子(1996)『労働者が毎期離職可能な時の報酬のタイミングについて:外部オファーが一様分布のケース』 三田学会雑誌 89(1):42-55。

グレーヴァ香子(1995)『複数対複数マッチングルールの実現可能性と操作不可能性について』三田学会雑誌 88(1):75-85。

Takako Fujiwara. 1988. "Collective Choice Rules and Bargaining Solutions." Keio Economic Studies, 25(1): 30--49.

共著論文

Takako Fujiwara-Greve, Henrich R. Greve and Stefan Jonsson. 2016. "Asymmetry of Customer Loss and Recovery under Endogenous Partnerships: Theory and Evidence." International Economic Review, 57 (1), 3-30.

Takako Fujiwara-Greve, Masahiro Okuno-Fujiwara, and Nobue Suzuki. 2015. “Efficiency may Improve when Defectors Exist.” Economic Theory, 60 (3), 423-460.

Takako Fujiwara-Greve, Masahiro Okuno-Fujiwara, and Nobue Suzuki. 2012. “Voluntarily Separable Repeated Prisoner’s Dilemma with Reference Letters.” Games and Economic Behavior, 74 (2), 540-516.

Takako Fujiwara-Greve and Masahiro Okuno-Fujiwara. 2009. "Voluntarily Separable Repeated Prisoner's Dilemma." Review of Economic Studies, 76(3): 993-1021.

Stefan Jonsson, Henrich R. Greve, and Takako Fujiwara-Greve. 2009. "Lost without Deserving: The Spread of Legitimacy Loss in Response to Reported Corporate Deviance." Administrative Science Quarterly, 54: 195-228.

奥野正寛、グレーヴァ香子、鈴木伸枝 (2007) 『社会規範と自発的協力』経済研究 58(2)、110-121.

Takako Fujiwara-Greve and Carsten K. Nielsen. 2006. "Learning to Coordinate by Forward Loooking Players." Rivista Internazionale di Scienze Sociali, CXIII(3): 413-437.

Takako Fujiwara-Greve and Henrich R. Greve. 2004. "The Role of Expectation in Job Search and Firm Size Effect on Wages." Japanese Economic Review, 55(12): 56-85.

Henrich R. Greve and Takako Fujiwara-Greve. 2003. "Job Search with Organizational Size as a Signal." Social Forces, 82(2): 643-669.

Takako Fujiwara-Greve and Henrich R. Greve. 2000. "Organizational Ecology and Job Mobility." Social Forces, 79(2): 547-568.

著著

Takako Fujiwara-Greve, Non-Cooperative Game Theory. Springer, 2015.

グレーヴァ香子『非協力ゲーム理論』知泉書館, 2011年。

編著書

小澤太郎、グレーヴァ香子、中村慎助編『理論経済学の復権』慶應義塾大学出版会、2008年。

中村慎助、小澤太郎、グレーヴァ香子編『公共経済学の理論と実際』東洋経済新報社、2003年。

閲覧者へのメッセージ

ゲーム理論は今では経済学全般において(さらに生物学など自然科学においても)重要な分析方法となりました。高度な数学を知らなくても理解できる部分がたくさんあります。応用の範囲も広いです。ぜひ学んでみて下さい。