個人基本情報
氏名:石橋 孝次 (いしばし こうじ)
職位:教授
研究室:
三田研究室 620 (内線 23273)
略歴: 1964年:
山口県生まれ
1987年: 慶応義塾大学経済学部卒業
1989年: 同大学大学院経済学研究科修士課程終了
1990年: 慶応義塾大学経済学部助手
1992年: 同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得
1992年 〜 96年: Boston University 大学院に留学
1997年: 経済学部助教授
2004年4月〜2005年3月: Boston University 訪問研究員
2010年: 経済学部教授
最終取得学位:
Ph.D. (Economics, Boston University)
受賞学術賞:
なし
所属学会:
American Economic Association, Econometric Society, European Association for Research in Industrial Economics, 日本経済学会
教育活動
担当科目(2011年度)
[学部通学課程]
ミクロ経済学初級 II ・ ミクロ経済学中級 IIa ・ 産業組織論 ・ 医療経済学(共同担当) ・ 研究会
[学部通信教育課程]
なし
[大学院]
ミクロ経済学演習
教育方針:
「ミクロ経済学初級 II」 ・「ミクロ経済学中級 IIa」
これらの講義科目ではできるだけ多くの板書をして、学生が後で復習しやすいように心がけている。独力で考え、知識を確認する作業が極めて重要であるという科目の性格により、トピックごとに練習問題とその解答を配布している。受講者数の多いクラスのため綿密な個別指導は困難であるが、授業中に数回の小テストを行うことによって学生の理解度を把握するよう努めている。
「産業組織論」 ・「医療経済学」
これらの講義科目では理論だけでなく、実例や実証分析の紹介を織り交ぜながら説明するため、パワーポイントを用いた授業を行っている。
「研究会」
産業組織や企業理論を中心としたミクロ経済理論の応用分野を研究対象としている。授業は学生によるプリゼンテーションをベースにしており、課外で個別論文指導を行っている。英文の教材を多用し、パワーポイントを用いたプリゼンテーションを求めている。ゼミナールは人間形成の場でもあるので、研究以外の場においてもできるだけ学生と交流をもつように努めている。
研究活動
専攻・研究領域:
ミクロ経済学 ・ 産業組織
現在の研究活動
研究課題名:
「混合寡占市場における品質競争に関する理論的研究」
途中経過及び今後の計画:
民間企業と公企業とが共存する寡占市場における品質競争を想定して、望ましい政策介入のあり方を分析している。
研究課題名:
「企業内の非対称情報と市場競争との関係についての理論的研究」
途中経過及び今後の計画:
企業の所有者である株主が経営者の努力水準を観察できないという企業の内部での非対称情報が、寡占市場の企業行動や市場成果にどのような影響を与えているかを分析している。
主要業績:
(単著論文)
"Effects of Asymmetric Information within a Firm on Oligopolistic Market Outcomes," Japanese Economic Review, Vol.61, No.4, pp.488-506, 2010.
"Strategic Delegation under Quality Competition," Journal of Economics, Vol.73, No.1, pp.25-56, 2001.
"The Role of Tariffs in Entry Promotion and Deterrence under International Oligopoly," Keio Economic Studies, Vol.28, No.2, pp.13-29, 1991.
「企業内の非対称情報と寡占均衡」 『三田学会雑誌』, 97巻1号,59-73頁, 2004年。
「多生産物寡占における製品選択と暗黙の結託」 『三田学会雑誌』, 85巻1号,60-76頁, 1992年。
「寡占市場における製品差別化行動の厚生分析−2段階ゲーム−」『三田学会雑誌』, 83巻2号, 30-49頁, 1990年。
「寡占市場における製品差別化行動の厚生分析−同時決定ゲーム−」『三田学会雑誌』, 82巻2号, 131-144頁, 1989年。
(共著論文)
"Partial Privatization in Mixed Duopoly with Price and Quality Competition," (with T. Kaneko) Journal of Economics, Vol.95, No.3, pp.213-231, 2008.
"Labor Efforts, Interpersonal Comparisons of Utility and Optimal Taxation," (with K. Kawamata) Keio Economic Studies, Vol.34, No.1, pp.1-19, 1997.
「勤労意欲、社会契約と最適課税」 (川又邦雄との共著) 『経済研究』,43巻1号, 14-21頁, 1992年。
(著書)
「現代ミクロ経済学:中級コース」(編著) 有斐閣, 2006年。
「インセンティブ契約と市場競争」 三菱経済研究所, 2001年。
「寡占市場における戦略的行動と経済厚生」 三菱経済研究所, 1994年。
「寡占とゲーム理論」 三菱経済研究所, 1993年。
(翻訳)
「クルーグマン ミクロ経済学」(共訳) 東洋経済新報社, 2007年。
「クルーグマン マクロ経済学」(共訳) 東洋経済新報社, 2009年。
閲覧者へのメッセージ:
(研究紹介)
寡占企業の行動および社会的厚生の観点からの評価を研究テーマとしています。製品差別化・研究開発・製品選択といった生産量や価格以外の次元での寡占企業の行動に関する理論的分析,および寡占的な環境における国際貿易論などを研究対象としてきました。現在は,所有と経営の分離を考慮した上で, 非対称情報 (道徳的危険・逆選択)が寡占企業の意志決定と内部効率性にいかなる影響を与えるかという問題を考察しています。
(学生へのメッセージ)
経済問題や経済現象を論理的に考察し、分析する能力が経済学部の学生に期待されていることだと思います。特にミクロ経済学・マクロ経済学・数学・統計学の知識や能力は三田の専門課程での学習のみならず、社会に出てからも非常に有用になります。のちに後悔することのないように、日吉のときから地道に学習されることを望んでいます。