戸瀬 信之
- 個人基本情報
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- 氏名:
- 戸瀬 信之 [とせ のぶゆき]
- 職位:
- 教授,慶應義塾大学21世紀COE 「統合数理科学」事業担当者
- 研究室:
- 日吉キャンパス来往舎509号室
- 略歴:
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1959年 富山県高岡市に生まれる
1978年 富山県立高岡高校卒業
1983年 東京大学理学部数学科卒業
1985年 同大学院理学系研究科数学専攻修士修了
1985年10月 愛媛大学理学部助手
1987年4月 東京大学理学部助手
1990年10月 北海道大学理学部専任講師
1991年10月 同助教授
1993年4月 慶応義塾大学経済学部助教授
1998年4月 同教授
(2000年4月-12月 京都大学数理解析研究所客員教授)
(2004年4月-2005年3月 京都大学経済研究所客員教授)
(2004年度,2005年度社団法人日本数学会理事)
- 最終取得学位:
- 理学博士(東京大学,1988年3月)
- 受賞学術賞:
- 2005年度 日本数学会 出版賞
- 所属学会:
- 日本数学会
- 国際教育学会
- 教育活動
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- 担当科目(2007年度)
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- [通学課程]
- 微分積分入門,微分積分、経済数学I,II,解析学I, II, ファイナンス数学入門I,II
- 教育方針:
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毎回小テストを行ない身体で数学を理解するようにつとめている。基礎的なトレーニング、言い換えると、読み・書き・計算・問題を解くなどの主体的な学習を経ずして身につくものはほとんどないと言っても過言ではない。ところが、大学生はその苦しい路を避けて近道をしようとするから、大学で能力をつけることができないのではないかと思っている。パリで教育をしたときの経験では、コアの科目には必ず演習(Travaux dirigents)がついていた。
経済学部生にとってどのような内容、どのような定式化、プリゼンテーションを終る形が数学を教えるときに望ましいのか常に試行錯誤をくりかえしている。
殆んどすべての講義で用いたOHPシートはPDF形式にして公開している。
- 研究活動
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- 専攻・研究領域:
- 数学・代数解析
- 現在の研究活動
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- 研究課題名:
- 慶應大学21世紀COE「統合数理科学」
- 途中経過及び今後の計画:
- 大きなプロジェクトの事業担当者としていくつかの企画を進めている。
- 途中経過及び今後の計画:
- 10年前に単独の解析的偏微分方程式に対して佐藤超函数の枠組で双曲型および超局所双曲型混合問題を考えた。その後共著者の片岡清臣(東大)教授が方程式系に結果を拡張した。現在、私はこの拡張された結果をより透明で統一的にする定式化を求めることである。
- 研究課題名:
- 第2超局所解析
- 途中経過及び今後の計画:
- 第2超局所解析を双曲型方程式系の特異性の伝播に関する研究に応用してきた。この5年間はその基礎的な研究につとめてきた。現在考えているのは、漸近解析に応用することである。
- 主要業績:
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- 単著論文
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- 2nd microlocalization and conical refrection, Ann. Inst. Fourier 37(2),1987.
- On a class of 2-microhyperbolic systems, J. de math. pures et appl. 67, 1987.
- 共著論文
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- FBI transformation and second microlocalization, J. de Math. pures et appl. 70, 1991. (with Y. Okada).
- Morse Inequalities for IR-constructible sheaves , Adv in Math. 93(1) 1992, (with P. Schapira).
- On microhyperbolic mixed problems, J. of Math. Soc. of Japan. 43(2), 1991.
- Elliptic boundary value problems in the space of distributions, Proc. of JSPS-CNRS joint seminar "New Trends in Microlocal Analysis", Springer, 1996 (with E. Andronikof).
- Second Hyperfunctions, Regular Sequences, and Fourier Inverse Transforms, Bull. de la Soc. Royale des Sciences de Liège, 70, 2001.
- 著書
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- 「大学生の学力を診断する」岩波新書,2001年,(西村和雄氏と共著)
- 学びたい人の数学(中学校1年),NTT出版,2003年
- 「デリバティブの数学入門」,共立出版,2002年,伊藤幹夫氏と共訳
- 「数学力をどうつけるか」ちくま新書,2004年
- 「経済数学」経済学コアテキスト別巻2(新世社),2005年
- 編著書
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- 「分数ができない大学生」1999年,東洋経済新報社(岡部恒治氏、西村和雄氏と共編)
- 閲覧者へのメッセージ:
- この15年間日本では初等中等教育の軽量化がゆとりを生む「ゆとり教育」として実施されてきた。その結果、日本の子供たちの生活はゆとりのないものとなり、塾に頼らない限り公立学校において高い能力を身につけるのが非常に難しい社会となってしまった。高い学力を身につけているはずの国立・私立の難関校の学生の学力低下は目をおおうばかりである。私はお粗末な公教育をやめさせるために、西村和雄教授と「分数ができない大学生」(東洋経済新報社)、「大学生の学力を診断する」(岩波新書)を出版してまいりました。
私はWebによる情報発信につとめております。詳しくは
http://www.math.hc.keio.ac.jp/tose/
を是非見てください。