Hans-Joachim KNAUP
- 個人基本情報
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- 氏名:
- クナウプ ハンス・ヨアヒム (Hans-Joachim KNAUP)
- 職位:
- 教授
- 研究室:
- 日吉研究室 625 (内線 30249)
- 略歴:
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1971年4月 ヴュルツブルク大学文学部中国文学専攻入学
1974年4月 ボン大学文学部日本学科日本学日本文学専攻入学
1977年2月 ボン大学文学部にて日本学・日本文学修了
1984年4月 横浜国立大学教育学部外国人教師
1996年4月 慶應義塾大学経済学部助教授
1999年4月 慶應義塾大学経済学部教授
- 最終取得学位:
- Diplom (ボン大学文学部)
- 受賞学術賞:
- 所属学会:
- 日本独文学会
- 教育活動
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- 担当科目(2007年度)
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- [通学課程]
- ドイツ語、自由研究
- [通信教育課程]
- なし
- [大学院]
- なし
- 教育方針:
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- 「ドイツ語」
- ヨーロッパの言葉はしっかりとした文法を持っていますが、特にドイツ語のシステムは優れた建築物にたとえられるような構造体になっています。この建物は一見すると隙間がなくて入り口を見つけるのが難しいように思えますが、私の授業では、グループ形式を取りながら共同でドイツ語という建物のなかを探っていきます。私は道先案内人のような役割を演じながら、道に迷ったり、障害物に遭遇したときなどにすぐに出動するつもりでいます。
- 「自由研究」
- 共通のテーマを模索する作業から始めながら、自分で主体的に問題解決にあたる姿勢を身につけてもらいます。与えられたテーマを単にこなすのではなく、テーマがまた別のテーマを呼ぶような研究のダイナミズムを体得し、発見的に物事を考える能力を養成していきます。
- 研究活動
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- 専攻・研究領域:
- ドイツ語 ・ 比較文化論 ・メディア論
- 現在の研究活動
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- 研究課題名:
- 「ヘルマン・カイザ―リングの『自由哲学会』及び『智慧院』に関する考察」
- 途中経過及び今後の計画:
- カイザーリングは1920年ドイツのダルムシュタット市に「自由哲学会」と「智慧院」を設立し、内外の著名な知識人を囲むネットワークを構築している。知識人のなかには、中国学の権威リヒァルト・ヴィルヘルムや心理学者C.G.ユング、さらにインドの詩人ラビンドラナート・タゴーレなど、当時の世界的レベルの学者、文化人が含まれている。カイザーリングの「自由哲学会」及び「智慧院」は20年代を通して国際的な評価を得た画期的試みである。カイザーリングのこうした活動の詳細を分析し、20世紀初めの東西文化交流のダイナミックな展開を明らかにする。
- 研究課題名:
- 「記憶庫としての文字システムと文字習得」
- 途中経過及び今後の計画:
- アーヘン工科大学のチームとの共同研究。1999年から、ドイツのテュッセン財団の助成を受けて、文字習得に関する日独比較研究を遂行している。特に、日本語の文字システムの成立におけるオラリティと書記体系との関わり、文字と記憶の関わり、漢字の特性などを中心に研究を進め、これらのテーマを積極的にヨーロッパに紹介している。
- 主要業績:
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- (単著)
- 『ドイツ語基本単語2000』語研、1991年
- (共著)
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『基本ドイツ語文法読本』白水社, 1980年
『ドイツ語表現ハンドブック』白水社, 1988年
『絵を見て話そう・Deutsch in Aktion』同学社、1993年
『ヨーロッパ都市めぐり』白水社、1995年
『ジェム独和・和独辞典』三省堂、2001年
- (単著論文)
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"Digitalmedien im DaF- und Landeskundeseminar" 慶應義塾大学日吉紀要 「ドイツ語学・文学、第23号」、1996年 9月掲載
「藤山治一のシーボルト論−新しい文化伝達の可能性を求めて」 慶應義塾大学日吉紀要 「ドイツ語学・文学、第26号」、1998年 3月掲載
「ヘルマン・マローンの日本紀行−楽園と独裁の共存する不思議の国Japan」慶應義塾大学日吉紀要 「ドイツ語学・文学、第28号」、1999年3月掲載
「藤山治一と実践的ドイツ語教育−明治・大正期のドイツ語教育と軍制との関わりの一例」慶應義塾大学日吉紀要 「言語・文化・コミュニケーション21号」、1999年3月掲載
「カイザーリングの日本紀行−西洋認識論の枠組みに映しだされた『大和的なるもの』」慶應義塾大学日吉紀要 「ドイツ語学・文学、第31号」、2000年9月掲載
「『智慧院』・東西知的融合の実験場−ヨーロッパの伝統的認識にたいするカイザーリングの懐疑と挑戦−」慶應義塾大学日吉紀要 「ドイツ語学・文学、第33号」、2001年 9月掲載
Wege zum Zen zwischen Annäherung und Unerreichbarkeit: Daisetsu Suzukis und Hermann Keyserlings produktiver Dialog“, in: Hier ist Woanders. Das baltische Welterlebnis der Keyserlings”, Heidelberg 2005, S. 343-352.
Kreative Hör- und Schauerlebnisse - Das Seminar als literarischer und kultureller Inszenierungsraum ; Kafka-Forschung, Koreanische Kafka-Gesellschaft, Band 15/2006;Seoul,Korea;Seoul National University,Seoul Korea;No.15/P.287-300;2006
禅の本質を求める旅−大拙とカイザーリング;追想「鈴木大拙」−没後40年記念寄稿集;P.P.58-P.62;2006/06
A Journey to Find the Essence of Zen. Daisetz and Keyserling; 追想「鈴木大拙」−没後40年記念寄稿集;P.P.374-P.371;2006/06
制御された雷 − 畏怖の対象としての雷から舞台表象としての雷への変貌;雷文化論; 慶應義塾大学出版会; P.105-125;2007/04/20
- 閲覧者へのメッセージ:
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- (研究紹介)
- 私は日本語の文字の歴史に強い関心を持っているので、ドイツ語や自由研究などの担当している授業で、皆さんにこのテーマについて話しかけるかもしれません。言葉を学んでいると、外国語であれ母国語であれ、未知との遭遇といった刺激的な出会いがあります。カイザーリング研究も含めた私の研究成果を、分かりやすく、また興味深く皆さんに伝えるつもりです。
- (学生へのメッセージ)
- 大学の4年間は、自分発見の旅のようなものです。やがて社会に巣立っていくわけですが、この4年間で自分が誰なのかをいろいろな機会をとらえて考えてください。ドイツ語圏で学びたい人には、留学などのチャンスについて相談にのります。